【トラック整備士】日野リエッセⅡに搭載されているユリアポンプの交換は非常に困難です。

整備士

日野リエッセⅡに搭載されているユリアポンプを交換するには、専用の特殊工具が無ければ非常に困難です。

その理由は、ユリアポンプ自体を緩めるのが滅茶苦茶かたいからです。

初めて緩めた時はこれで大丈夫かと、心配になるぐらい、本当にかたいです。

«ユリアポンプとは»

ユリアポンプとは、尿素水タンクの下に取り付けられていて尿素水を送るポンプになっています。

このユリアポンプは尿素水位センサーと圧送ポンプが一体となっている構造です。

メーカーや型式によってその構造は呼び名は様々です。

ユリアポンプだったり、尿素水ポンプだったり。

尿素水タンクと一体になっていたり、別の箇所に付いていたり、etc.。

«交換の仕方»

まずは、尿素水を抜きます。タンクの下にドレンコックが付いているので、それを外すと、尿素水が出て来ます。

キレイな容器で受けないと、再使用出来ませんので、キレイな容器を用意しましょう。

そして、尿素水タンクの下にカバーを付いているので、それを取り外すと、ユリアポンプが見えます。

ここからが、大変です。

まずは、周りの配線を取り外し、特殊工具をセットします。

そして、力いっぱい緩めて下さい。壊れると思うぐらい力で緩めないと緩みません。

緩んだら、新品のユリアポンプに新品のOリングを付け締めます。

締める時は、ストッパーが当たるのが見えるので、そこまで締め付けて、復元し、抜いた尿素水をタンクに注入し、ゲージが上がって、故障コードを検出しなければ、作業完了です。

«何故、尿素SCR付きになったのか»

なぜ、尿素SCRシステムが搭載されるようになったかというと、ADGやPKGやLKGといったアルファベットで表記され型式の前に記載されているもので、その中でポスト新長期と呼ばれる型式から排気ガスの規制がかなり、厳しくなったからです。

排気ガスに含まれるNOxPMの両方を減らさないと、規制に通らなくなり、各社頑張って努力した結果、今にたどり着いた感じです。

ざっくりした感じは下記の通りです。

  1. コモンレール :燃料を高圧に噴霧し、完全燃焼させる事によってPMと減らす
  2.  E G R :排気ガスを利用して燃焼室の温度を下げて、NOxを減らす
  3. DPR・DPF:完全燃焼出来なかった、PMを燃料を噴霧する事によって燃やす
  4.  S C R :3で出てしまったNOxを尿素水を使用し、還元する
 

尿素SCRシステムを速い段階で装着したのが、UDトラックと三菱ふそうです。

日野・いすゞはEGRとDPR(日野)・DPF(いすゞ)だけで、NOxの低減しようとしましたが、逆にPMが増えてしまってDPR・DPFのトラブルが増えたような気がします。

今では、大型4社全てにこの尿素SCRシステムが搭載されていますし、最近では乗用車にまで尿素SCRが搭載されるようになりましたね。

その分、故障の頻度も高くなって、私達整備士の仕事も増える一方ですね。

そして、尿素系が故障するとかなりの高額修理になってしまいます。保証期間なら良いのですが・・・。

こればっかりは、国が定めた規制なのでどうしようもありませんね。

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