【整備士】ディーゼル車に搭載されている、DPR・DPF・DPDの違いは?役割は?

整備士

この3つ共に、名前が違うだけで役割は一緒です。では、なんで呼び名が違うのかそれは、ずばり「各メーカーによって呼び方が違う」だけです。トラックメーカーによって違いがあるだけです。

名前メーカー
DPRトヨタ・日野
DPF三菱FUSO・日産・マツダ
DPDいすゞ

①DPR・DPF・DPDの役割

DPR(Diesel Particulate Active Reduction System)は排気ガス浄化装置、DPF(Diesel particulate Filter)はディーゼル微粒子補修フィルター、DPD(Diesel Partichulate Defuser)はPM微粒子除去装置と名前は違えど、その役割は全て同じです。排気ガス中に含まれる有害な粒子物質(PM)を捕集し、クリーンになった排気ガスを排出する装置となっています。一定以上の粒子物質(PM)が蓄積されると、自動的に燃焼(再生)を行います。

②修理

この装置は、一応半永久的に使用出来ると推奨されていますが・・・、本当によく故障します。いやマジで故障します。一定以上PMが蓄積されれば、自動的に燃焼(再生)を行って、貯まったPMを除去するのですが、この燃焼が上手い事いなかくて、PMが貯まり過ぎて、除去しきれなくなって、チェックランプを点灯させます。どのように燃焼(再生)の点検していけば良いのか、解説していきます。

1⃣.差圧の点検

燃焼(再生)の点検する前にまずは、今燃焼(再生)しても良い状態なのかを確認する必要が有ります。スキャニングツールを使用して、差圧の点検を行います。各車によって、基準値が違います。例えば、基準値が5kpaの場合で差圧が20kpaもあれば、詰まり過ぎているので、燃焼(再生)の点検をする前に、フィルターの清掃が必要です。清掃した後に、もう一度差圧を点検して、基準値を超えていなければ、燃焼(再生)の点検を行います。

2⃣.エンジンの水温

まず最初に、エンジンの水温がしっかりと70℃以上になっているのかを確認する事。意外にここを見落としている人がいますが、70℃以上にならないと、燃焼モードに入らないので、燃焼が完了しません。70℃以下だとずっと暖機モードの状態なので、その分余計に、PMが貯まります。例えば、エンジンを暖機するのに、ECU(コンピューター)はどうすると思いますか?燃料の噴射量を上げて、エンジン回転数を上げて、エンジンを暖めようとします。その状態がずっと続けば、PMが普段よりも多く排出されるのが分かりますよね。従って、PMも貯まりやすくなります。アイドリング時に水温が70℃を下回っている場合は、サーモスタットが開いたままか、ファンクラッチがロックしている可能性が有りますので、そこを点検してみて下さい。

3⃣.噴射量

次に噴射量の点検です。これも車種によって基準値が違うので、今点検している車種にあった噴射量に合わせて下さい。調整方法は、排気ブレーキを開けたり閉めたりする事によって、調整出来ます。開けるとエンジンの負荷が低くなるので、噴射量は下がります。逆に、閉めるとエンジンの負荷が大きくなるので、噴射量が上がります。これの調整をしっかりとしないと、何が故障しているのか、もしくはこの調整が不良だった為に、調整すると正常に復帰する車もあるので、基準値に入っているかを点検して下さい。経年劣化によって、排気ブレーキが閉まり過ぎていたり、開き過ぎていたりしますので、しっかりと判断して下さい。

4⃣.燃焼(再生)

上記3つを確認して、やっと燃焼(再生)の点検に入ります。スキャニングツールを使用して、燃焼(再生)モードにして、燃焼(再生)させていきます。ここでは、IN側(入力側)の温度の上がり方を見ていきます。正常だと一気に高温になっていきます。IN側(入力側)の温度が大体500~600℃、OUT(出力側)の温度がだいたい400~500℃の範囲に入れば、正常にPMを除去していると判断して大丈夫です。逆に、この温度まで達しなければ、燃焼(再生)は完了しないので、チェックランプが点灯すると思います。

・温度が上がらない要因

その1.フィルターの不良

最初にフィルターの差圧を点検していると思うので、一度清掃して場合は、フィルター自体の機能が低下して、反応しなくなっている可能性が高いので、フィルターの交換が必要です。このフィルターがマジで高いです。大体20万円~となっていますので、かなりの高額修理となりますので、何度も清掃してそれでもダメな場合は交換させて頂いています。一度も清掃していないフィルターの場合は、清掃してPMを除去すると、機能が回復して良くなります。

その2.インジェクターの不良

燃焼(再生)させているのは、インジェクターより燃料を噴射しているのですが、その噴霧が悪いとフィルターでの反応が悪くなるので、結果温度が上がらない事が多いですね。この判断基準は、私の場合は、エンジンオイルが異常に増えていたり、再生時に目に沁みる白煙が出ていれば、インジェクターの不良と判断出来ます。

その3.吸気系の不良

吸気系が詰まっている。EGRバルブやインテークマニホールドが詰まっていると正常に空気が流れなくります。これは目視点検すれば、すぐに分かります。

③まとめ

この装置の不具合は本当に多いく、何度も再修理となったりする事も有るので、しっかりと点検して、再修理にならない様に、原因を追究して、修理していって下さい。上記以外にも、色々な可能性がありますので、今の車の状態をよく見て、判断して下さいね。

※上記で述べた内容はあくまでも、私個人の経験に基づいた、点検方法ですので、絶対ではありません。

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