ディーゼル車では、燃料配管にフィルター(エレメント)が装着されています。定期的に交換しないと、エンジン各部の早期故障に繋がる恐れがありますので定期的な交換が必要です。推奨しているのは車検毎に交換する事です。詳しく解説していきます。
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1・燃料の種類
ディーゼル車の燃料は「軽油」。ガソリン車の燃料は「レギュラーガソリン」です。
トラック・バスといった大型車に多く使用されているのが、軽油。乗用車や軽自動車といった車に主に使用されているのがガソリンです。
最近では、乗用車にもディーゼル車が普及してきています。その他、「LPガス」や「電気自動車」「ハイブリッド車」などがありますね。
軽油もガソリンも元々は同じ「原油」から作られています。
原油を350℃まで加熱し、蒸発、蒸留抽出していきますが、30℃~180℃で抽出されたものガソリン、240℃~350℃で抽出されたものが軽油になります。
元々は同じ原油でも、その成分は全く違う物になっているので、給油時に間違えて入れないように注意しましょう。
2・燃料エレメントの役割
燃料エレメントに役割は、2つあります。
《役割1》不純物を取り除く
燃料の中に含まれている不純物を取り除いて、キレイにしてから燃料装置各部に送ります。
一度、交換した事のある人だったら分かると思いますが、フィルター(エレメント)を取り外すと真っ黒になっています。
その真っ黒な物が不純物です。
《役割2》燃料内の水分を取り除く
軽油の中には、ガソリンよりも水分が多く含まれています。
その水分をフィルター(エレメント)部によって、取り除いています。
なの、フィルター(エレメント)部の下には水を抜く為のコックが付いています。
もし、水分が多量に貯まったらメーター内に警告が出るようになっています。
3・何故、定期的に交換しないとダメなのか?
上記「2」で紹介したように、フィルター(エレメント)の役割を十分に発揮するには定期的に交換する必要があります。
不純物が溜まっていくと、フィルター(エレメント)のろ過性能が低下し、燃料をキレイする事が出来なくなります。
燃料内の水分をしっかりと、取り除かないと燃料装置の錆にも繋がります。
十分にろ過出来なかった燃料が燃料装置各部に送られると、燃料装置(インジェクター・燃料ポンプ)の早期摩耗・損傷に繋がります。
各メーカーによって交換時期・交換距離は様々ですが、だいたい似たような感じです。
なの、最低でも車検毎に交換、年間走行距離が十万キロを超えるような長距離を走っている車なら半年毎に交換ほうが良いでしょう。
4・交換しないまま使用し続けると・・・。
燃料フィルター(エレメント)を交換しないまま使用し続けると、どうなるのか?
汚いフィルター(エレメント)のまま使用していると様々な故障が車に発生します。
1 | 燃料の各装置に悪影響が出て、故障・損傷の原因になる |
2 | エンジンの出力不足になる |
3 | 燃費が悪くなる |
4 | エンジンが掛からなくなる |
1・燃料の各装置に悪影響が出て、故障・損傷の原因になる
燃料内の不純物や水分を取り除く性能が落ちてくるので、ろ過しきれなかった汚い燃料が各装備(インジェクター・燃料ポンプ等)に送られる事によって、早期故障・損傷の原因になります。
燃料装置は部品代も高額になってきます。一度、故障すると元には戻らないので交換するしかありません。
1つの部品だけ壊れたら良いのですが、1つ壊れると2つ・3つと同様に部品が壊れる事があります。そうなれば、高額修理になるのは確実です。
2・エンジンの出力不足になる
フィルター(エレメント)が詰まると燃料を送る量が少なるなるので、出力不足になります。
分かりやすいように説明すると、家のエアコンを思い浮かべて下さい。
エアコンのフィルター(エレメント)が詰まっていると風が弱いですよね。あれと同じです。風が燃料の量だと思うと、分かりやすいですよね。
乗用車ではそこまで感じるか分かりませんが、トラック・バスはエンジンのパワーがいるので、すぐに感じると思います。
アクセルを踏んでも加速していかなかったり、失速したりします。
トラックで高速道路上でなったら、大変ですよね。
3・燃費が悪くなる
フィルター(エレメント)が詰まると、適切な燃料の量をエンジンに送れなくなるので、燃費が下がります。
詰まっている分、いつも以上に燃料を送らないと、エンジンの出力を出せなくなるからです。
4・エンジンが掛からなくなる
フィルター(エレメント)が詰まっただけで、エンジンが掛からなくなる?と思った人もいるかもしれませんが、掛からなくなります。
出張で、毎年3件ぐらいは発生しています。
燃料はエンジンが回転する事によって、負圧が発生して、その負圧によって燃料タンクから燃料を吸っています。
フィルター(エレメント)が詰まると、エンジンを掛ける時の弱い負圧では十分な燃料をエンジンに送る事が出来ません。
5・まとめ
燃料フィルター(エレメント)は車検毎に絶対に交換する事です。
このフィルター(エレメント)代とケチってしまうと、もっと高額修理が発生してしまいます。
定期的に交換する事によって、エンジンの性能、燃費の向上、各部品の寿命を延ばす事が出来ますので、しっかりと交換するを推奨します。
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