乗用車と違って、トラックは距離も走りますし、走っている環境も厳しいと思います。
そこで、10年以上整備士を行っている私の視点から毎日出来るメンテナンスを紹介します。
この記事を最後まで読むとトラックが故障する頻度が少なくなり、無駄な修理代が掛からなくなると思いますので、参考にして下さい。
私の経歴です。
1.エアタンクの凝水
まずは、これですね。
エアタンクの凝水(ぎょうすい)チェックです。
エアタンクの下にドレンコックが付いていて、タイプによっては様々あると思いますが、一般的にはワイヤーが付いていたり、引っ張る所が付いていると思います。
それを引っ張ると中に溜まっている水とオイルが空気と一緒に外に排出されます。エアタンク内には微量の水分とオイルが含まれています。
その水分・オイルを排出しないと、エア配管内に溜まってしまって、各装置に送られる事によって、ゴム製品の劣化が進んでしまって、エア漏れを起こす原因になります。
元々、エアタンクに入る前にエアドライヤーという装置によって、水分・オイルがほとんど除去されていますが、100%では無いので、その残りを凝水によって取り除いています。
毎日の凝水のチェック、ほんの数秒で終わるので運転する前にする習慣を付けておくと良いと思います。
2.オイル・水のチェック
これは、トラックで無くても乗用車でも当たり前ですよね。
教習所等でも習う事ですが、本当にチェックしている人はほとんどいないような気はしますが・・・。
トラックの場合、特に長距離ドライバーになってくると一日で数百キロ以上走る事もあると思うので、こまめなチェックが必要です。
オイルは正常でも減っていくものです。もしオイル漏れがあったりすると更に減っていくスピードも増していきます。
オイルが不足すると、エンジン内部の破損に繋がるので、しっかりと規定量入っているのかを確認しましょう。
水も同様です。オイルと違って減っていく事は有りませんが、漏れ等によって不足してしまうと、ヒーターが効かなくなったり、オーバーヒートを起こして、最悪の場合、エンジンの破損にも繋がります。
オイル・水のチェックも運転するほんの数秒で出来るので、しっかりとチェックする習慣を付けましょう。
3.ホイールナットの緩みの点検
毎年、数件はホイールナットが緩んだ事による、事故が発生していますね。
日常点検・1ヶ月点検・3ヶ月点検等をしっかりと行っている所は大丈夫かと思いますが、あまり点検をしていない場合は、注意が必要です。
トラックのタイヤが取れてしまうと、重大事故になる可能性が非常に高いです。
もし、取れたタイヤによって誰かを怪我させてしまったり、最悪亡くなる事もあります。その責任は、ドライバーにあります。
そうならない為にも、毎日のチェックが重要になります。
緩み始めたら一気に緩んでいきます。なので、緩みが無い事を確認する必要があります。
点検ハンマー等によって確認するか、人目で緩んでいるのか分かる「ホイールナット緩みインジケーター」があるので、取り付けると、点検が楽になります。
特に、ノーマルタイヤ⇔スタッドレスタイヤのようにタイヤを履き替えた後が一番脱落する危険が高いです。特に、運転席から一番遠い、左の後ろタイヤ要注意です。
自分に落ち度が無くても、タイヤが脱落してしまうと、大変な事になってしまうので、そうならない為にも毎日のチェックが重要です。
4.グリスアップ
乗用車では、そもそもグリスアップポイント自体が無いですが、トラックの場合は、結構あります。
ダンプに乗られているドライバーさんは、自分でやられている人は、結構いると思いますが、トラックはどうでしょう。皆さん、自分の車のグリスアップしていますか?
グリスアップは、金属同士や摺動する部分をグリスで潤滑する事によって、摩耗や損傷を防いでくれます。
このグリスアップをしなければ、金属部分が摩耗し、異音が発生したり、破損したりします。
自分でやるのは少し厳しいかもしれませんが、出来る範囲でする事をお勧めします。
5.その他
上記1~3は、簡単に出来る事なので、毎日(運行前)やる事をお勧めします。
4は簡単には出来ませんので、出来る範囲で行いましょう。
これ以外にも色々と点検はあります。
バッテリーの点検・ベルトの点検・灯火装置の点灯点検等が有りますが、そこまではなかなか出来ないと思いますので、上記1~3だけでもしっかりと行うのが良いでしょう。
6.まとめ
毎日出来るチェックを毎日行う事によって、車の異変にすぐに気付く事が出来ます。
チェックをする事によって、車の修理代も安く済みますし、故障の確率も低くなるので、良い事しかありません。
後は、定期点検を確実に受ける事によって、普段見れていない所までしっかりと見てもらえるので、安心です。
毎日やる習慣を付ける事がトラックの寿命を長くする事にも繋がりますので、是非、実行しましょう。
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