よく、町中で信号で停まる瞬間に、「キー」と甲高い音がしている車を見かけると思います。
俗にいう「ブレーキ鳴き」という現象ですね。
乗用車に限らず、大型車・バス等でも鳴っていますね。
その原因は大きく分けて2種類有ります。「ブレーキ装置の当たりが悪い」「ブレーキ関係に異常が有る」です。
ブレーキ装置の当たりが悪い
これは、特に異常があって鳴いている訳では有りません。気にしなければ正常です。
ブレーキの装置の構成部品、ドラムとライニング、パッドとローターの双方の当たりが悪いとブレーキ鳴きが発生します。
新車の車ですら鳴いている車があったりするぐらいなので、普段走行している車だと、鳴く確率は高いですね。
では、何故鳴くのでしょうか。
『ブレーキが鳴く原因』
ライニングとパッドは非常に硬い素材で出来ています。
そんな硬い部品が、高速で回転しているドラムやローターを止める訳ですから、当たり面が削れていくのは分かりますよね。
その当たり面が削れていく事によって、ライニングやパッドの当たり面が均一で無くなって、部分的にドラムやローターに当たる事によって、鳴きが発生します。
後は、各ブレーキ装置のグリス切れによっても、鳴きが発生します。
車検時には、ブレーキ廻りを分解するので、一言伝えれば、対策してくれると思います。
『ブレーキ鳴き対策』
対策は色々とあります。
素材の変更
まずは、ライニングとパッドの素材を柔らかい素材にする事です。
対作品として純正品よりも柔らかい素材で出来たライニング・パッドが出ていますが、それを装着する事によって、確かに鳴きは減少します。
しかし、柔らかい素材に変更する事によるデメリットも有ります。
ライニング・パッドが減るスピードが速い事です。ドラックやバスのように車体が重い車になるとその分、減るスピードは増します。
速い車だと1年持たない事も有ります。
ブレーキ装置の交換や研磨
ライニング・パッドの角を落として、滑らかにする事によって、鳴きが軽減されます。
ドラム・ローターは、研磨をする事によって、マシにはなります。
一番良いのは、ライニング・パッドを交換する際に、ドラム・ローターも一緒に交換する事をお勧めします。
ドラム・ローターが削れていると、いくらライニング・パッドが新品でも、角を落としても、早期にブレーキ鳴きが発生します。
ブレーキに異常が有る
この場合は、そのまま走行し続けると、ブレーキが効かなくなったり、重大な事故に繋がったりします。
『ライニング・パッドの残量無し』
ライニング・パッドの残量が無くなって、鉄の部分がドラム・ローターに接触する事によって、音が発生します。
パッドの場合は、残量が減ってくると音で知らせてくれる「パッドウェアインジケーター」が取り付けられています。
だいたい、パッドの残量が1.6mmぐらいになると、ローターと接触し、音が鳴ります。
ライニングの場合は、そのような警告音が発生する物は取り付いていません。
ブレーキフルードの量が極端に減っている場合は、まず間違いなく、ライニング・パッドが摩耗限度を過ぎていると思います。
ブレーキフルードが無く、エアのみの車においては、定期的な点検をするしか方法は有りません。
ライニング・パッドが全く無くなって、直接鉄の部分が当たると、ブレーキのペダルにも凄い振動が伝わってくるので、すぐに異常に気付くと思います。
そうなってしまえば、ブレーキ装置を全て交換しなければ、直りません。
最悪の場合は、走行中にブレーキが効かなくなってしまいます。
そうならない為にも、車検以外での定期的な点検を良いでしょう。
まとめ
毎日、車に乗っている人にとっては、ブレーキ鳴きはとても不快な音に感じると思います。
私達、整備士も出来る限り、ブレーキ鳴きが起こらない様に、角を落としたり、グリスをしっかりと塗ったりと対策しています。
異常な場合を除いて、ブレーキ鳴きは走行には支障はないので、どうしても音が我慢出来なくなったら、修理工場へお願いしましょう。
そこまで、お金を掛けなくても音は一時的には止めれますが、長期的に見れば、しっかりと部品の交換をしなければ、再発はすると思いますので、交換しなければいけない部品は、交換しましょう。
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