乗用車整備士とトラック整備士では、仕事内容は若干違います。乗用車とトラックの整備の経験がある私が解説します。
私の経歴です。
乗用車整備士とトラック整備士の違いは下記の通りとなります。
乗用車整備士 | トラック整備士 | |
主な仕事内容 | 法令点検・車検 軽整備 オイル交換・洗車 新車のオプションの取付 | 法令点検・車検 軽・重整備 納車・引取 |
接客 | 有り | ほとんど無し |
残業 | 有り(20時間程度) | 有り(40時間以上) |
定休日 | 火曜か水曜 | 日祝 |
一つずつ解説していきますね。
«主な仕事内容»
・法令点検・車検
整備士なので、乗用車でもトラックでも基本的には、車を整備する仕事になりますが、その内容が少し違います。
車業界の一番の収入源の車検は乗用車でもトラックでも受ける義務があります。乗用車は2年に1回、トラックは1年ごとに受けないとダメです。
なので、乗用車にあるような12ヶ月定期点検はトラックにはありません(一部車種は有ります)。
法令点検は、乗用車は12ヶ月点検。トラックは3ヶ月・6ヶ月点検があります。
・整備
乗用車では軽整備。ブレーキパッド・ベルト・ブーツ交換等の作業が有ります。
私が乗用車ディーラーで働いている時は重整備士(エンジン分解やトランスミッション分解)は年2~3回ある程度でした。
トラックでは上記の軽整備に加えて、重整備が多くあります。
エンジンの分解作業、トランスミッションの分解作業、エンジンASSYの交換作業等、簡単には出来ない作業が週1ぐらいで有ります。
最近ではリビルト品が多く出回っていてASSY交換する事が増えましたが、まだまだASSY交換よりも分解し、悪い所を交換する。といった作業は多く有ります。
・オイル交換・洗車
乗用車ディーラーで働いている時に一番やった作業がオイル交換と洗車ですね。
オイル交換作業は簡単で良いのですが、乗用車は入庫したほとんど全ての車の洗車していました。
暑い夏だろうが、寒い冬だろうが、毎日毎日洗車していました。これが本当に嫌でした。
トラックにもオイル交換作業は有りますが、乗用車のようにオイル交換のみで来店する事はほとんどありません。
法令点検のついでにオイル交換する程度です。
後、トラックは洗車は一切しません。あんなデカいボディーを全ての車洗車していたら、洗車で一日が終わってしまいます。
私の会社では、洗車は別の業者が行っています。
・納車・引取
乗用車でも最近では営業マンがお客様の車を直接取りにいったりしているそうですが、私の時代は整備士が直接取りに行く事は無かったです。
しかし、トラックは7~8割は社員(営業マン・整備士)か業者が車を取りにいっています。
納車・引取にもお金がかかるので、少しでも安く、利益を出す為に、社員自らやる事があります。
・新車のオプションの取付
皆さん、車を買った経験があると思います。その時に、色々なオプションを提案されたと思います。
その内、メーカーオプションじゃなくて、ディーラーオプション(ETCやナビ・外品の電装品)の物を取り付けます。
トラックでも一応ありますが、乗用車ほど付ける物がありませんし、あったとしても外注に頼んで作業してもらっていますので、現役の整備士が新車のオプションを付ける事は私の会社ではありません。
個人的にはこの作業がとても好きでした。
«接客»
乗用車整備士は、作業をする前にお客様の所にいって、車の状態を確認してから作業する事が多いです。なので、接客はとてもありますし、重要です。
トラック整備士はまず、直接お客様としゃべる事はほとんど無いと思います。
その理由は、乗用車は個人ですが、トラックは会社になります。なので、営業マンかフロントマンが間に入ってしゃべります。
一整備士が直接社長に電話して、作業の内容を確認する。といった事はまずありえませんね。
私は今は、何十年もこの会社にいるので、少しずつですがお客様に電話したり、接客したりしていますが、入社5年目ぐらいの整備士ですら接客する事はほとんどありません。
«残業»
・乗用車
あくまでも、私の経験した会社の話なので、全て当てはまるとは思ってません。
乗用車の場合は、車を修理に持って行ったら店で待ってますよね?修理が完了したら、そのまま車を乗って帰るのが一般的だと思います。
中には、車を預けて帰られる人もいるとは思いますが、その大半はその日に作業完了して、出していると思います。
なので、その日にやらないとダメな仕事は、ある程度定時の範囲内で終わって、預かっている車の修理をする時に、残業する感じでした。
繁忙期は、さすがに車の入庫台数も多いので残業が増えますが、普段はそこまで遅くまで残業する事はないかと思います。
・トラック
トラックの場合は、乗用車の逆でお客様が待っている事の方が少ないです。
その代わり、車の完成時間に制限があります。「○○日の○○時までに納車」といったように決められた時間までに、車の修理を完了し、納車しないとダメです。
なので、乗用車に比べて残業時間が多くなります。酷い時には、夕方に車を持ち込んで、次の日朝一に取りに来る、といった要望もあります。
そうなれば、その日に修理を完了しないとダメなので、必然的に残業をしないと修理が出来ません。
乗用車と違ってトラックは会社なので、トラックを使用する予定を組まれているので、絶対に完成時間は守らないとダメです。
よっぽどの事が無い限りは、完成時間は厳守です。
«定休日»
乗用車の場合、土日に集客があるので、休みが土日になる事は絶対にありません。3年間乗用車ディーラーにいましたが、土日休んだことは一度もありません。土曜か日曜のどちらかだけ休みか、どちらも出勤かでした。
だいたい平日の火曜か水曜が定休日の乗用車ディーラーが多いと思います。定休日の前後を休むことによって連休は出来ません。
乗用車のメリットは平日に休めるので、人が少ないので、出かけるには良いです。
トラックの場合は、運送会社が日祝休みの所が多いので、それに合わせて、日祝が休みになっています。
土曜日も仕事量が少ないので、月に1~2回出勤するぐらいで、後は土日は連休になります。
«まとめ»
乗用車整備士とトラック整備士の違いが分かりましたか?
乗用車整備士はがっつり整備をするといよりは、対お客様重視で、接客もしっかりと行わないとダメです。残業はそこまでしませんが、普通の人が休みの土日もお客様の為に仕事をしないとダメです。
トラック整備士はがっつり整備をし、対会社に対しての仕事をするので、会社の要望に答えないとダメです。従って、残業も多くなりますが、土日祝が休みになります。
乗用車整備士もトラック整備士も経験しましたが、どちらもメリット・デメリットが有ります。
- 汚れるのが嫌
- 平日に休みたい
- 接客が好き
-
車のカスタマイズが好き
- がっつり整備がしたい
- 土日に休みたい
- 接客が嫌い
自分にあった生活スタイルを照らし合わせて、乗用車整備士かトラック整備士になるのかを決めるのが一番良いと思います。
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