トラックの整備士を長年やっていると、1年に1~2回程作業ミスによる重大事故が発生しています。基本に忠実に作業をしていれば、防げた事故も数多くあります。
ハブが焼き付いて車が燃えたり、作業した箇所の部品が脱落したり、車が走れなくなったり、etc.
参考までに私の経歴です。
ミスをするのは新人や若手整備士とは限りません。むしろ、中堅やベテラン整備士のミスの方が目立ちますね。
その理由は、新人の場合は最初は基本を教えられるのでその通りに作業を行います。
ベテランの場合は、作業に慣れてついつい基本を怠って、雑になる事があります。
何回もやった作業なら尚更、これぐらいで大丈夫だろうと思ってしまいます。
それが大きな落とし穴です。
車の各装置には、修理書という物があって、ほぼ全ての作業のやり方が記載されています。
初心者でも分かるように一から十まで丁寧に書かれています。その通りにやれば、ミスが起きる事は限りなく少ないと思います。
ただ、全ての作業を修理書通りのやり方でやると、仕事が終わりませんので、抜く所としっかり丁寧にやる所を分けています。
ミスが多い整備士はこの、抜く所と丁寧にやる所の見極めが出来てないからミスが多くなります。
特に車の整備には絶対に手を抜いてはダメな所が何箇所かあると感じます。
私は経験上から絶対に手を抜いてはダメな所は、後輩にも厳しく教えています。トルクレンチを使用にしっかりとトルク管理をしなければ、重大事故に繋がるような箇所は絶対にやるように教育しています。
新人からベテランまで基本に忠実に作業を行う事が理想なのですが、これは整備士あるあるなのですが、昔からの習慣を代々先輩から後輩へ教えていくので、あまり良くない作業のやり方も教えられます。
その作業を自分で理解して、やり方を改善していけば良いのですが、教えられたままの作業をそのまま続けているようでは、ダメですね。
属に言う、我流というやり方ですね。良い面もあるし、否定するつもりもないです。
私も我流でやっている所もたくさんありますので。
ただ、その中でもしっかりと基本をやらないとダメな所があるという事を忘れてはダメです。
全ての整備工場で、新人からベテランまでしっかりと、基本を忘れずに作業を行う事が重大事故のリスクの軽減につながると思います。
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