折れたボルトを除去・修理する方法を現役のトラック整備士が解説しまう。

整備士

部品と部品を接続するのに使用するボルト。車には数多くのボルトが使用されています。そのボルトが金属疲労や振動・腐食やオーバートルク等によって折れてしまうことがよくあります。

やり方さえ間違わなければ、誰でも修理は可能です。

現役の整備士で何度も折れてしまったボルトを修理してきた私が、折れてしまったボルトの取り外し方法を解説していきますので、最後までご覧ください。

【ネジ山が生きている場合】

折れたボルトの確認

まずは、折れたボルトを確認しましょう。

「ボルトの長さがある場合」

折れているボルトの長さを確認しましょう。折れているボルトがどのくらい残っているのかです。

残っていれば、スタッドボルトリムーバーで取り外すことができます。(過去の投稿を参照してみて下さい)

上記のスタッドボルトリムーバー以外では、少し残ったボルトにナットを溶接して取り外すという方法もあります。もしくは、バイスプライヤー等で挟んで外す事も可能です。

どれも、締め過ぎて折れてしまったボルトやネジ山が生きている場合では有効ですが、錆やネジ山が生きていないと取り外すことは困難になります。

「ボルトの長さが無い場合」

ボルトが中で折れ込んでしまっていたり、少ししか残っていない場合は上記のスタッドボルトリムーバーやナットを溶接する事は出来ません。

では、どのように外していくの解説していきますね。

1.ボルトの頭を平らにする

折れてしまったボルトの頭を平らにしていきます(この作業はしなくてもどちらでも良いです)

ボルトの中心にセンターポンチで打刻します。

出来る限り中心に打刻しましょう。あまりずれてしまうと、後でしんどくなるのでここは一番慎重に行いましょう。

2.ドリルで穴を開ける

センターポンチで打刻した所をドリルで穴を開けていきます。ボルトの太さの半分ぐらいのドリルを選択して下さい。(注意:あまり細いドリルだとすぐに折れてしまいます)

ドリルはボルトに対しい真っすぐに開けてください。斜めにドリルが入っていくとネジ山が潰れる可能性がありますので。

3.逆タップ

ドリルで開けた穴に逆タップを入れて折れ込んだボルトを取り外します。

上記のドリルタイプや角タイプがありますが、個人的には角タイプの方が使いやすく抜きやすいですかね。両方あれば間違いないです。

4.タップ

逆タップで抜けた箇所をタップダイスでネジ山を修正し、作業完了になります。

【ネジ山が生きていない場合】

ボルトを締め付けるときにネジ山が噛みこんでしまって折れた場合や錆等が酷くネジ山が生きていない場合は、上記の方法では抜き取ることは出来ませんので別の方法で修理します。

上記2までは同じ方法です。取り除くパターンは2通りあります

叩いて取る

ボルトがある程度太い場合は、ギリギリまでドリルで穴を開けてボルトを叩いていきます。少しずつ少しずつ叩いていき削るしかありません。

ネジ山は最初から潰れていますので、後で修正すればよいのでしっかりと叩いてボルトを除去していきましょう。

リューター等で削る

ボルトが細い場合は、なかなか叩いて取る除くことは難しいので、リューターで削っていきます。ギリギリまで削って取り除いて下さい。

【まとめ】

ボルトが折れてしまった場合や、折れているボルトの修理をする際は、折れているボルトの状態をしっかりと確認してから作業を行う事によって、きちんと修理することができます。

ある程度、工具も無いとダメになってきますので、工具が揃っている人は挑戦してみて下さい。

自身の無い人は、触らずに出来る人か鉄工の人に頼んで作業してもらいましょう。

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