車の修理をするのに、整備工場へ車を持ち込みますよね。
そこの工場で「認証工場」か「指定工場」の看板を掲げていると思います。このいずれかの指定を国(地方運輸局長)から受けていなければ、車の分解整備を行う事は違法行為となります。
就職の際に、認証工場・指定工場の違いを理解して、その違いを知っておく必要があります。若干ですが、業務内容が違ってきますので。
この二つの違いについて解説していきたいと思います。
認証工場・指定工場とは
『認証工場』
分解整備を行う事の出来る工場となっていて、ある一定の条件を満たす事によって、国から自動車分解整備事業をする許可があるという証明書になります。
よくマンションや一軒家の駐車場で、車の整備をしている人を見かけますよね。分解整備に該当しなければ特に罰則はありませんが、そこで分解整備を行うと違法行為になりますので気を付けましょう。
分解整備とは・・・。
原動機(エンジン)、動力伝達装置(ドライブシャフト・プロペラシャフト)、走行装置(フロントアクスル・リヤホーシング)、操縦装置(ステアリングボックス・タイロッドエンド)、制動装置(ブレーキ関係)、緩衝装置(リーフスプリング・エアサスペンション)を取り外して、行う自動車の整備・改造の事。
詳しくは国土交通省令で定められた、道路運送車両法第三条に規定されていますので、参照して下さい。
上記に記載されているように、自動車の主要な装置の修理をするには認証を受けていないと、ほとんどの作業が出来ないのが分かりますね。
『指定工場』
認証工場とやれる内容は全く同じですが、一つだけ違う点があります。
その違いとは車検整備を行い、国に代わって車検の更新が出来るのが「指定工場」となります。
指定工場では無い、認証工場の場合は車検整備は出来ても、車検の更新をする事は出来ませんので、陸運支局へ持ち込んで、検査ラインを通してもらって合格すれば、車検の更新が出来ます。
しかし、指定工場の場合は自分たちで車検整備を行い、その工場の検査員によって検査ラインを通して車検の更新が出来ます。
条件とは
申請すれば、全ての自動車整備工場が認証工場・指定工場の認可がおりるとは限りません。決められた条件を満たす事によって、認可がおりて自動車整備工場として稼働する事が出来ます。
1.作業場面積
車の整備を行う場所の面積の基準です。
例えば、大型トラックの整備工場を行う予定の工場が軽自動車のサイズしか無かった場合、サイズがオーバーしてしまいますよね。
なので、その整備工場の面積に基準を設けています。そこそこ大きい工場なら問題無いと思いますが、個人でやられる場合は、しっかりと工場の長さを測定する必要がありますね。
2.設備
整備工場内の設備の基準です。
必ず必要な設備がいくつかあって、それらを置いておかないとダメです。工具も装置もなにも無い工場だと、そもそも車の整備を行う事なんて出来ません。
必要な工具・設備をきちんを揃える必要があります。
3.人員
その工場で働く人の数の基準です。
分解整備を行う従業員が2人以上必要です。そのうち1人は国家2級自動車整備士の資格を有し、整備主任者として届出ることが必要です。
4.車検を実施する為の作業機器や検査施設
車検を実施する為に、必要な検査ラインの施設や機器の基準です。
国に代わって車検の更新をするので、しっかりとした設備・機器が無ければ正確に検査を行う事が出来ません。なので、ある程度の設備・機器が必要となります。
これを工場へ導入するのはかなりのコストがかかりますので、大手ディーラーや大きなモータース屋じゃなければ厳しいと思います。
5.検査員の選任
検査員を国に届け出る。
検査員の資格を持っているだけではダメで、届け出て登録されて初めて検査員をして選任されます。整備主任者も検査員も1年に1回の講習が義務付けられています。
検査員の資格を取得するにはまずは、国家2級自動車整備士の資格が必要です。その後、整備主任者に任命されて、何年か実務経験を積んでから検査員の資格を取得出来ますので、すぐには検査員になる事は出来ません。
まとめ
認証工場でも指定工場でも基本的には仕事内容は同じです。車検の自社で更新するのか持ち込むのかの違いだけです。
整備士として働くのならどちらの工場へ就職しても対して仕事の内容は変わりませんが、自身の車を車検に出した時は、指定工場じゃなければその工場での検査ラインを通したのではなく、国の検査機関へ持ち込んで検査したという事だけです。
これから自動車整備工場を個人やろうと思っている人は、必ず国家2級整備士と自動車検査員の資格は保有している方が良いでしょうね。
もし取得していないのならば、今の会社でこの資格を取得してから退職し個人でやったほうがいいでしょうね。
上記1~3は「認証工場」、4~5は「指定工場」の登録に必要になります。
詳しくはこちらを参照して下さい。
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