クラッチディスクが早期に摩耗する原因は何か?どうすれば長持ちするのか?

マニュアルミッション車に搭載されているクラッチディスクが早期に摩耗する原因はいくつかあります

大前提としてクラッチディスクは基本的に、定期交換部品なので摩耗して交換する正常です

しかし、早期に摩耗したらそれは、何か原因があります

この記事では、クラッチディスクの早期摩耗の原因やどうすれば長く持つかを説明しています

この記事を書いている私は、20年以上の整備経験があって今でも現役の整備士をしている者になります。乗用車~トラック・バスまで幅広い車種の整備経験があります。現在は、大型車をメインに整備をしています(詳しくは、こちらを参照ください

では、解説していきます

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【クラッチディスクとは?】

まず初めに、クラッチディスクとは?何かを説明します

エンジンの動力を伝達したり、遮断したりする部品になります

取り付いている場所は、エンジンとトランスミッションの間になります

今の時代、車の免許を取る時に「A/T限定」を選択する人が多くなったと聞きます

A/Tしか乗った事の無い人には馴染みが無いと思いますが、アクセルペダル・ブレーキペダルの他にもう一つ、クラッチペダルが付いています

このクラッチペダルを踏む事によって、クラッチディスクの回転が止まります

高速で回転しているエンジンの動力を一旦切り離して、回転を止める事によってトランスミッションのギヤをスムーズに変速出来るようにしているのが、クラッチディスクになります

【早期摩耗の原因】

早期に摩耗する原因は、いくつかあります

①クラッチ遊び

クラッチの遊びの調整不良による早期摩耗

クラッチペダルを踏んで、クラッチ繋がるまでの遊びが適切じゃなければクラッチディスクが摩耗する原因になります

人によって、好みがあってクラッチペダルを上げるとすぐに繋がって欲しい人がいたりします

適切な範囲内であればどこに調整しても問題は無いです

しかし、あまりにも基準値から外れてしまう早期摩耗になってしまいますので、適切な範囲内でクラッチの調整を行いましょう

②クラッチ油圧系統

上記でも説明しましたが、マニュアルミッション車にはクラッチペダルが存在します

クラッチペダルを踏む事によって油圧が発生し、倍力される事によってクラッチを断続されています

しかし、メンテナンス不良や部品の不具合がおこると、油圧が正常に発生しなくなります

そうなると、クラッチがしっかりと機能していない状態で繋いでしまうとクラッチディスクに無理な負担がかかってしまいます

それを繰り返す事によって、早期摩耗になります

③操作ミス

クラッチペダルを踏んで実際にクラッチが繋がる瞬間の事を「半クラッチ」と言います

この半クラッチの状態は短い方が断然クラッチディスクの負担は少なくなります

しかし、この操作は運転が上手く、慣れている人にとっては問題なく操作出来ますが、そうでない人にとっては難しい操作になると思います

クラッチが繋がっているのにも関わらず半クラッチの状態を続けたり、又はエンジンの回転数を必要以上に上げすぎたり等の操作を行うと、クラッチディスクに負担がかかってしまいます

上記の操作を1回2回程度なら問題無いと思いますが、日常的にそのような操作を繰り返していると、クラッチディスクの早期摩耗に繋がります

実際、半年も持たずにクラッチディスクが早期摩耗したお客様もいましたね

上記3つの原因の中でおそらくこの「操作ミス」によるクラッチディスクの早期摩耗が一番多い原因になるかと思います

【ディスクを長持ちされるには?】

この記事の冒頭でも書きましたが、大前提としてクラッチディスクは消耗品なので必ず交換が必要になる部品になります

その消耗品のクラッチディスクを出来る限り長持ちされる事は出来ます

①クラッチ遊びを常に適切な範囲に調整する

上記でも説明しましたが、クラッチの遊びは個人差があって好みの遊びの位置があるとは思います

しかし、クラッチディスクの摩耗を少しでも減らすなら、常に適切な範囲での調整をする事が望ましいと思います

そして、正常な遊びの範囲内でもクラッチディスクが減っていくと、クラッチの遊びも変化します

その変化した遊びを常に調整し、適切な状態を維持する事が重要になると思います

いつもとクラッチが繋がる位置が変わったと思ったら、調整を実施しましょう

②定期的な交換・メンテナンス

クラッチオイルやクラッチブースター・マスターといったクラッチの油圧を発生させている部品・油脂を定期的に交換しましょう

特に、クラッチオイルはオイルの全量自体が少ないのですぐに劣化します

ブレーキオイルと同じ物を使用しているので、吸水性が高いです

車検毎には必ず交換する事をお勧めします

クラッチブースターやマスターも車検毎に交換するのが望ましいですが、予算の関係もあると思うので最低でも2~3年に一度は交換orOH(オーバーホール)を実施しましょう

そうすれば、油圧系統のトラブルは格段に少なくなると思います

③発進時の半クラッチを意識

上記2つの事を確実にやったとしても、半クラッチの操作を間違えば全く意味がなくなります

発進時にはエンジンの回転数を上げ過ぎず、繋がったらすぐにクラッチペダルを放しましょう

特に坂道発進になる道路では、気を付けて発進しましょう

半クラッチを意識して、丁寧にする事によって上記2つ以上の効果はあります

【まとめ】

クラッチディスクが早期に摩耗する原因はだいたいが上記3つになると思います

その中でもやはり、人為的な操作が一番早期摩耗につながると思います

クラッチの遊び・部品のメンテナンスも重要ですが、ドライバーが丁寧な運転を心がける事によってクラッチディスクの寿命は遥かに延びると思います

ただ、クラッチディスクは消耗品なのでどんなに丁寧に運転しても交換しないといけない時は必ずやってきます

その交換頻度を減らす為には、上記3つを常に意識する事が重要になってきます

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