毎年、全国各地でトラックやバスが走行中に火災が発生する事案が発生しています
乗用車でも火災は発生していますが、特にトラックやバスは長い距離を走る為、発生する確率は高くなっています
この記事では、車両火災が発生する原因とは何が考えられるのかを説明しています
簡単にこの記事を書いている私の紹介をします。自動車整備士を20年以上している者になります。乗用車・トラック・バスの整備経験が有り、現在は大型車をメインに整備をしている現役の整備士になります(詳しくはこちらを参照して下さい)
では、下記より解説していきたいと思います
原因
車両火災が発生する原因は大きく分けて3パターンあると思います
整備不良・部品の故障・電気系統のトラブルの3パターンになります
①整備不良
火災の原因で一番多いのが整備不良になります
公道を走っている全ての車は、法律で義務付けされている点検・整備があります
その点検・整備を怠ってしまった為に起こる火災です
点検・整備を確実に行っていれば防げたかもしれない火災になります
原動機廻り・ブレーキ系統・足廻り等しっかりと点検・整備をする事で100%ではありませんが火災の発生確率を抑える事は出来ます
②部品の故障
部品の故障に関しては、前兆がある場合もありますし突然故障する場合もあります
例えば、エンジンチェックランプが点灯した状態で走行を続けていたりすると部品の早期故障に繋がります
警告灯等が点灯していなくても、前兆がなく突然故障する場合もあります
これは、正直防ぎような無い事の方が多いですが、何か違和感を感じたらすぐに車を停車して、エンジンを停止するしか防げないと思います
予防策としては、故障していなくても年数が経っていて、一度も交換をしていないような部品は交換をするしか方法は無いかと思います
③電気系統
電気系統のトラブルは、経年劣化によるところが多いですね
長い年数、車を使用していると各部が擦れたり接触したりする事によって配線がショートする事によっておこります
これも対処のしようが無いですね
早期に見つけるのはかなり難しいと思います
その他には、純正じゃない社外品の電装系統を取り付けた場合に発生します
知識のある人間がしっかりと配線を仕上げれば問題は無いのです
しかし、知識が無いもしくは作業が雑な人間がやるとそれが原因で火災が発生する場合もあります
④その他
上記3パターンが代表的な火災の原因になります
しかし、火災の発生した車両を国やディーラーが調べてもその全ての火災の原因が特定出来ている訳ではありません
実は一番多いのがこの原因不明の火災になります
特定出来た中で特に多い原因が上記3パターンで後の残りは原因不明になります
全焼してしまえば原因の特定をするのはかなり難しいと思います
なぜ火災が起こるのか?
なぜ火災が起こるのか?どういった原因で火災が発生するのか?
①整備不良の場合
整備不良の場合、どのようにして火災が発生するのか?
【ブレーキ系統】
整備不良の中でも火災の原因に一番なるのが、ブレーキ系統の整備不良になります
ブレーキ系統の部品は特に、ゴム製品を使用している箇所が多いです
そのゴム製品は、何年かに一度は必ず交換しないといけません
ゴム製品を交換しなかった為に、正常とは違う動作がおこってしまってブレーキを踏んでいないのに踏んだ状態になってしまいます
ドライバーがその状態に気づかずにそのまま走行を続けると、ドラムとライニングが熱をもって高温になる事によって足回りから火災が発生します
乗用車ならブレーキが踏まれていたら気付くかもしれませんが、トラック・バスのようにエンジンの出力が高い車になると、少しブレーキが踏まれていた程度なら分からないと思います
実際、整備した後の点検時にも違和感を感じたらテスターや車を上げて点検したりします
それでやっとブレーキが引き摺っていると分かる事もあります
ブレーキ系統の不具合はすぐに、火災や重大事故に繋がるおそれがあるので、最低でも車検毎にはしっかりと点検し、交換をしないとダメな部品は交換をするようにしましょう
【足回り】
ブレーキ系統と同じぐらいに多い火災の原因が足回りですね
特に、トラック・バスは長距離を走る為に車検毎に足回りの点検をしっかりと行わないとダメです
ドラムを外して、ベアリングの状態を確認し、グリスの交換をしっかりと行って、ハブの調整をします
上記の点検(ベアリング・グリス・ハブ調整)のどれか一つでも怠ると、火災の原因になってしまいます
タイヤと常に一緒に回っている部品になります
スピード上がれば上がるほど回転数も上がって温度も上がります
上記3点が正常ならば、問題な無いのですが、どれか一つでも異常があると温度が異常に上昇してしまいます
ブレーキ系統の故障と一緒で壊れかけていれば走行中に違和感を感じると思います
違和感を感じたら、すぐに停車して下さい
タイヤやドラムを触ってみて、温度を確認したら分かる場合もあります
明らかに触れないぐらいの熱さだったら火災になる一歩手前の状態です
その状態になってしまったら、出張点検を依頼するかレッカーにて修理工場へ搬入するしかありません
そうならない為にも点検・整備は確実に行いましょう
【油脂】
油脂系統とは、オイルの事です
エンジンオイル・ギヤオイル・ブレーキオイル等、車には色々な種類のオイルが使用されています
オイルが劣化した状態で使用したり、オイルの量が適量じゃなかったりすると故障に繋がります
車に使用されているオイルの役割は、金属同士が接触する時に発生する摩擦の軽減や部品の冷却になります
そのオイルが劣化していたり、オイル自体の量が少なかったりすると、オイルの役割を果たす事が出来なくなります
上記の状態で車を使用続けた場合には、金属同士の摩擦が増加します
その結果、金属部品が異常な熱を持つ事によって火災に繋がります
特に、エンジンオイルの場合は車両火災に繋がるケースが多いです
なので、オイル交換はしっかりと距離や期間を決めて確実に実施して、定期的にオイルの量を点検する事で、故障を可能性をかなり減らせると思います
②部品の故障の場合
部品の故障の場合は、上記で説明しましたが早期に見つけるのはかなり難しいですね
チェックランプ等の異常な状態であれば、見つける事が出来ますが前兆無く故障する事の方が多いです
特に火災になるような部品はターボチャージャー・燃料系統の部品になります
【ターボチャージャー】
ターボチャージャーは排気バスを利用して、吸入空気を加給している装置になります
そのターボチャージャーの内部のベアリングが破損する事によって、多量のオイルが吸気側・排気側に異常に流れてしまいます
最悪の結果、そのオイルが燃えてしまって車両火災に発展してしまいます
上記でも説明した油脂を怠った場合に発生します
ターボチャージャーは加給している装置なので、一瞬でオイルが多量に各部に回ってしまいます
高速道路等を走行中なら、違和感を感じても防ぎようが無いと思います
ターボチャージャーは当たり外れがあって、1年そこらで故障する物もあれば、廃車するまで一度も交換しない物もあります
予防整備として交換したとしても故障する時は故障します
しかし、少しでも故障のリスクを避けたいのであればやはり、定期的に点検・交換をするしか無いと思います
【燃料系統】
燃料系統の故障の場合は、エンジンが不調になるケースが多いです
燃料が漏れていれば、そこから空気を吸ってたり、燃料の圧力が逃げたりするのでエンジンに必要な燃料がいかないからです
燃料漏れで火災になるケースは少ないです
運悪く、漏れた燃料が排気管等によって燃えてしまったら火災になりますが、あまり聞いた事はありません
燃料系統で怖いのは、故障によって外に燃料が出るのではなく、エンジン内部に燃料が多量に漏れてしまう事です
そうなると、エンジンオイルと混ざってオイル量が増える事によってそのオイルが異常燃焼する事によって火災に発展してしまいます
オイルが異常燃焼して、エンジン本体が破損するだけで済めばエンジンASSY交換で済みます
しかし、何らかの原因でエンジンオイルが燃えてしまえばオイルと燃料が混ざり合っているのですぐに燃え広がってしまいます
ターボと一緒で前兆があれば良いのですが、そうでないケースの方が多いです
故障している状態で無いと点検しても分からない事が多いです
燃料系統も少しでもリスクを避けたいのであれば、やはり数年に一度は交換する方が良いでしょうね
③電気系統の場合
電気系統の場合は、新車ではほとんど起こらないと思います
後付けで配線等を引き直していたら分かりませんが、新車の状態で電気系統の不具合によって火災が発生するのはあまり無いです
電気系統の火災は、経年劣化によるところが多いです
長年、車を使用する事によって振動等によって少しずつ配線等が削れていって、ショートする事によっておこってしまいます
後は、修理後しっかりと配線を固定していなかったり、バンドを付け忘れたりする場合でもおこります
一番多いのは、知識の無い人は後付けで何か電気系統の装置・物を付けた時です
間違えて、配線を繋いでしまえばすぐにヒューズが飛びます
ヒューズが飛んでくれれば良いのですが、電流が一気に流れてしまった場合は、配線が燃えてそれが火災の原因になります
もし、何かを付ける場合はしっかりと調べてB端子・IG端子等をどこに繋ぐかを確認してから作業をしましょう


コメント