新人整備士にとって、何から覚えていったら良いのかを説明・解説します。

整備士

今年、新しく整備士になった人にとってまだまだ覚えなければならない事がたくさんあると思います。

結論から言って、まず最初に覚えないとダメな事は基本の作業になってきます。

そもそも整備士の基本の作業とは何か?と思う人もいると思いますので、下記の記事で詳しく解説していきますね。

参考までに、私の経歴は15年以上乗用車・大型車の整備士をしている者です。これまで数多くの新人整備士を見てきました。その経験から何を覚えていったら良いのかを解説します。

①基本の作業とは・・・?

基本の作業とは、今勤めている会社・今から働こうとしている会社によって違ってくると思います。

【乗用車系】

メインの修理が乗用車になっている整備工場で働いている人ならまずは、オイル交換を確実に覚える事が大事になってきます。

たかがオイル交換ですけど、そのオイル交換を完璧に出来ないと次のステップに行く事は出来ません。

車の型式・車種によってオイルの量が異なっています。その量をきっちりと覚えて、確実にオイルの量を合わせる事が重要になります。新人でよくあるのがオイルの量が分からなくて、何回もオイルを足しながらレベルゲージで確認している人がいます。最初の1~2カ月なら良いのですが、それが半年経ってもその状態だと先輩は次の仕事を回しません。

それに加えてオイル交換だけで無くエレメントの交換をしていかなくてはなりません。なので、オイル交換の場合とエレメントも交換した場合の2通りのオイル量をきっちりを覚えるかメモに取るかして、オイル交換作業を完璧に出来るようにならないと次のステップにはいけません。

【大型車系】

大型車系の整備工場だったら、上記のオイル交換作業はもちろんの事で、それに加えて足回りの作業を覚えなければなりません。

グリス交換の作業をしっかりと出来ないとダメです。乗用車がメインの整備工場ではそこまでこの作業は無いと思いますが、大型車の整備工場では毎日行われる作業になります。

車検整備で入庫した車両のブレーキまわりを点検する際にドラム・ハブという部品を取り外します。そこに入っているグリスを交換する作業になります。グリス交換に加えて、そこに入っているシールの交換もしなければなりません。

このグリス交換は簡単ですが、シールを交換するにはコツを覚えるまで何回か潰してしまうと思います。それは仕方がないので、何回もシール交換をしてコツを覚えていくしかありません。

【まとめ】

「乗用車ならオイル交換・大型車ならオイル交換+グリス交換」

これをしっかりと行う事が出来なければ、次のステップを教える事は無いと思いますので、まずは最初の1~2カ月間で上記の内容をしっかりと理解して、完璧に行えるように作業していきましょう。

②基本の作業以外

上記の基本の作業以外にももちろん覚えなくてならないことはたくさん山ほどあります。

【名称・名前】

車の名称や工具の名称・部品の名前等も覚えないと仕事になりませんね。これは、技術ではなく記録力になりますので、先輩が言った事をしっかりと覚えて次に言われたときにすぐに持ってこれるように覚えましょう。

私は後輩がこれがしっかりと出来ないと正直嫌ですね。

整備士はだいたいがチーム(2~3名)で働いています。その中で自分が持ってきてほしい工具・物を後輩が素早く持ってきてくれたら非常に助かりますし、印象として仕事が出来ると感じます。

なので、色々と覚える事ががたくさんあり、専門用語もあり、難しいと思いますが、確実に一つ一つ覚えていきましょう。

【人間関係】

これは、直接仕事とは関係の無い事かもしれませんが、整備士はだいたいチームで働いています。ベテランになってくると一人で作業を行う事も増えますが、新人の間は、誰か先輩とペアになって作業します。

その先輩との人間関係はとても重要で、最初の段階で印象が悪かったら、その先一緒に仕事をしていくのはかなりしんどくなってくると思います。それが原因で辞めていった整備士はたくさんいます。

なので、まずは先輩との人間関係としっかりと築いていくことも重要な事になってきます。

③まとめ

新人整備士は本当にたくさんの事を覚えていかなとダメになってきます。それは、整備士に限った事では無くどの業界のどの職種の新人でもいえる事だと思います。

新人整備士はまずは、基本の作業をしっかりと行う事!作業のスピードよりも確実で丁寧な作業を心がけると基本も身に付き、先輩や周りの人も認めてくるようになります。

一番やってはダメな事は仕事を早く終わらせようとして、雑な作業になって、ミスをする事です。新人整備士に正直スピードは求めていません。求めているのは正確で確実でミスのない作業です。

私たちの仕事はお客様からの信頼が無くなったら、仕事が入ってこなくなってしまいます。ベテランも新人もお客様にとっては同じ整備士ですから。新人なのでミスをしました、は通用しません。

なので、先輩・会社から認めてもらえる整備士になる為にはスピードよりも、もっと大事な丁寧な作業を行ってください。そうすれば、次のステップに進むことが出来ます。

コメント

  1. 新人社長 より:

    はじめまして。この度新しくトラック整備会社を立ち上げることになり色々とネットを徘徊してここにたどり着きました。私は中古トラックの売買をやってたのですが「一緒に整備工場やりたい」という整備士と巡り合い新規開業となります。
    トラックの売買をしていても整備方面の知識は皆無なのでこのブログは大変勉強になります。ありがとうございます!

    そこで質問なのですが私は整備経験はありません。そこで基本の「き」としてジャッキのかけ方、ウマのかけ方とかを知りたいです。私が整備をすることはほぼ無いと思いますが車が入庫したらジャッキで上げれる、メカの欲しい道具が手元に準備されているというコンシェルジュ的なことはできるようになっておきたいです。

    • guragura guragura より:

      新人社長さん、コメントありがとうございます。

      ブログを読んでいただいてうれしく思います。コメントにもある、ジャッキ・ウマのかけ方についての記事を作成したいと思います。
      また、記事を投稿しましたら参考にしてもらえるとありがたいです。

      後、今回のように「~の事が知りたい」などありましたら、コメント頂いたら私で答えられる範囲で答えますので、お待ちしています。