熟練の整備士がかなり減ってきていると感じます
整備士としての経験はあっても、「古い車の整備をした事が無い」「ASSY交換は出来ても分解した事が無い」といった整備士が減ってきているという意味です
私自身は、20年程のまだまだ現役の自動車の整備士をしています(詳しくはこちらを)
私の会社でも正直、整備士としての腕が無い整備士が多くなってきている感じますね
整備自体は出来ても、診断・分解・修理といった本来の整備士としての仕事が出来ない人が増えてきていると感じます
【理由①:整備士の不足】
昔は、年に10人程の整備士が入社していました
その内、5年目までに辞めていってしまうのがだいたい半分ぐらいな感じでした
しかし、近年は10人も入社したら多い方で5~8人程度で、日本人は正直1人か2人で後は外国人になっているのが現状です
今年に至っては、1人か2人のようです(日本人ではないようです)
入社する人数は、減っていても辞めていく人数は変わらず、むしろ増えているぐらいです
なので、経験のある日本人整備士が辞めていって、経験が浅い外国人整備士が増えていっています
整備士全体の人数は増えているかもしれませんが、整備が出来る整備士が減っています
重整備や分解整備といった難しい整備が出来る人が減っています
【理由②:ASSY交換】
上記でも説明しましたが、重整備や分解整備が出来ない整備士が増えた原因はこの「ASSY交換」になります
ASSY交換というのは、例えばトランスミッションの不具合の場合、分解して不具合箇所だけを交換するのではなくトランスミッション自体を交換する事です
その方が、時間もかからず楽に修理が完了するからです
その反面、分解して修理するよりも費用が高くなります
最近は、リビルト品といって分解して整備された部品があるのでそれを注文して交換するといった整備が多いです
整備というより交換屋になるので、何も考えず交換するだけなので分解するより速く仕事が終わります
トランスミッションやディファレンシャルを分解・点検・修理・調整といった作業をした事の無い整備士が多くなってきたと感じますね
【理由③:指導者不足】
昔の車の整備は、初見で組んでいくのは非常に難しいです
修理書と呼ばれる分解組み付けの手順が書かれた本を読んでも分からないと思います
最新の車の修理書は非常に細かく書かれているので分かりやすいですが、昔の車の修理書は簡単に書きすぎて全く分かりません
※修理書とは:分解・組み付けの手順や締め付けトルク等が載っているメーカーが出している本
なので、最初に作業する時は経験豊富な整備士と一緒に教えてもらいながら作業を行っていました
しかし、始動する立場の整備士自体も辞めたり、異動になったりしてその作業を教えられる人間もいなくなってしまいました
その結果、教える人間がいない為に昔の車の整備経験が無い整備士や分解した事の無い整備士が増えてきたと感じますね
【理由④:外注へ依頼】
自分たちの工場で仕事が捌ききれない場合、外注業者へ依頼して作業を頼む事はよくある事です
難しい作業や経験の無い作業を外注業者にばかり頼ってしまった結果、自分たちの仕事は楽な簡単な仕事しか出来なくなってしまいます
自分たちが絶対にやらないとダメな状況なら色々調べて作業をして覚えていくと思いますが、初めから外注業者へ丸投げ状態だと調べる事も無いと思います
外注が悪いとは思いませんが、自分たちで頑張って出来ないと判断してから外注に依頼する方が今後の整備業界には良いと感じます
【まとめ】
今後も間違いなく整備士は減っていくのは確実だと思います
もう、今更会社が慌てて対応しても取り返しがつかないほど現場は切羽詰まっています
何故なら、一人前の整備士に育てるまでには数年かかるからです
その数年の間に、その整備士が辞めてしまったり、その整備士を教えていたベテラン整備士が辞めてしまったりするでしょう
いくら新人が数十人入ったとしても一人のベテランの整備士にも勝てません
会社には、今いる整備士が辞めない環境・待遇を考えないと確実に私の会社は終わると感じています
私は、今の会社が潰れても大丈夫なように色々な所で働ける環境を整えているので問題はありませんが・・・
新人や若手の整備士の待遇よりも、今いる強い戦力の整備士・一人前の整備士をしっかりとサポートしていかないと会社はダメになると思います
今からやっても正直、かなり遅い対応ですがやらないよりはマシなので、会社の上層部はこの事に気づいて対応をしないとダメです
売り上げや数字ばかり見ていては、良い会社にはなりません
会社の底辺の支えている整備士が働きやすい環境・ずっとこの会社で働きたいと思える環境にならないと今度も私の会社は下降していくと感じます
全ての整備士が我慢して頑張っていると思います
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