車のエンジンをかけて、アイドリング状態にした時にいつもとはちょっと違った感じになった事はありませんか?
回転数が振れたり、エンジンが止まりそうになった経験はありませんか?
そんな状態になった時のどう対処したら良いのかを解説していきます
簡単に、この記事を書いている私の紹介です。整備士歴約20年の現在でも現役の自動車整備士をしている者になります。乗用車~大型車まで幅広い車の整備経験があり、現在は大型車をメインに整備をしています(詳しくはこちらを参照して下さい)
では、下記より解説していきます
【不安定な要因】
まずは、アイドリング状態が不安定になる要因を説明していきます
エンジンが動く為に、必要な重要な4工程があります
「①吸入➡②圧縮➡③燃焼➡④排気➡①」この①~④と繰り返し行う事によって、エンジンが回転しています
これのどれか一つに異常が発生するとアイドリングが不安定になってしまい、最悪の場合はエンジンが止まって始動出来なくなります
では、不安定になる要因を一つずつ説明していきます
[燃料系統]
まず、一番多い要因が燃料系統の不具合になります
上記の「①吸入」と「③燃焼」工程の所になります
燃料系統に何らかの不具合が生じると、エンジンが回転するのに必要な燃料の噴霧・噴射が正常に行えなくなります
ガソリン車・ディーゼル車で燃料の噴霧・噴射する装置・構造が違いますが、燃料が爆発するのは同じです
その結果、エンジン内部の燃料室内の爆発が正常に行えなくなって、エンジンの回転数が不安定になります
原因:インジェクター・燃料ポンプ・燃料エレメント・コモンレール等
[吸気系統]
エンジンに必要な空気が十分に吸入出来なくなる事によって、アイドリングが不安定になります
上記の「①吸入」「②圧縮」工程になります
ピストンの上下運動によって空気をエンジン内部に吸い込みますが、なんらかの原因によって空気量が低下すると圧縮が出なくなってしまいます
そうなれば、いくら燃料系統が正常でも不完全燃焼をおこしてしまいアイドリングが不安定な状態になります
原因:ホースの破れ・ホース抜け・エアクリーナーの詰まり・インテークシャッター不良・ターボ不良等
[排気系統]
上記の「④排気」工程に不具合が生じると、排気ガスが正常に大気に開放されなくなった場合でもアイドリングが不安定になります
排気工程は、空気の出口になっているのでそこに不具合があると蓋をしている状態と一緒になります
その結果、排気ガスが抵抗となって空気の流れが悪くなりアイドリング状態が不安定になります
原因:DPRの詰まり・排気ブレーキ不良・ターボ不良等
[エンジン内部]
基本的に、上記の3つが主な要因となっています
しかし、上記の3つ共に正常な状態だった場合は、エンジンの内部が不具合をおこしている可能性があります
上記の「②圧縮」工程にて、圧縮が低下していれば、いくら燃料系統が正常であっても、吸入工程が正常であっても、燃焼が正常に行われません
正直、上記の3つ以外の場合は、アイドリングが異常なぐらいに振れるのですぐに異常だと感じると思います
原因:シリンダーヘッドガスケット不良・ピストン不良・カムシャフト不良等
【対処】
では、実際にアイドリングが不安定になった場合はどうすれば良いのか?
一番は、アイドリングが不安定になったらすぐに修理工場へ車を持ち込む事です
不具合初期の段階だとそこまで、重大なトラブルになっていない可能性があるので早めに点検・修理するのが一番です
なぜなら、違和感に気付いていてもそのまま車を使用された場合、車の状態がどんどん悪化していくだけです
最終的には、エンジンが始動出来なくなったり、エンジンが破損してしまったりと、重大なトラブルに発展する可能性があるからです
初期の段階で対処すれば、その分修理代金も安く済みます
しかし、仕事やプライベートで車を使用する場合、すぐに修理に出すのは難しいと思います
なので、3段階に分けて説明していきます
[レベル1]
これは、トラブルの初期段階になります
1日中車に乗っていて、たまにアイドリングが振れる程度の現象です(2~3回ぐらい)
アイドリングが一瞬振れたり、信号待ち等にて違和感がある程度です
これは、早急に修理をする必要はないので1カ月以内には修理工場へ持ち込んで点検してもらいましょう
[レベル2]
トラブルが進行した状態になります
頻繁に、アイドリングが振れたり、エンジンが止まりそうになるレベルです
この状態が長く続けば、突然走行中にエンジンが止まったり、信号待ちでエンジンが止まったりします
エンジンが止まっても再始動出来れば良いのですが、最悪の場合はエンジンがかからなくなります
このような状態になったら、1週間以内に修理工場へ持って行く事をお勧めします
[レベル3]
トラブルが悪化した状態になります
エンジン何度も止まって、アイドリングが異常に振れている状態になります
後は、エンジンの音があきらかにいつもとは違う音が出ている状態になります
こうなったら、速やかに修理工場へ持ち込むか、最悪レッカーにて搬入になります
【トラブルにならない為には】
上記にて説明した部品は、どれも消耗部品になるので定期的に交換すればこのようなトラブルにはならない可能性は高いです
しかし、故障してもいないので交換するのは費用が莫大にかかってしまいます
少しお金をかける・日々のメンテナンスをしっかりと行う、これだけでも防げるトラブルはたくさんあると思います
[定期的に交換]
定期的に交換をお勧めするのは、燃料エレメントとエンジンオイルの交換ですね
どちらも、車検毎とか半年に一回とか決めて交換するのが良いと思います
後は、走行距離に応じて交換ですね。各社メーカーにて推奨の交換時期・交換距離があるので参考にしてみてはどうでしょうか
燃料エレメントを定期的に交換するだけでも燃料系統のトラブルは少なくなり、エンジンオイルを定期的に交換するとエンジン各部の摩耗を防ぐ事が出来ます
[日常点検]
車の免許を取得する際にも、一通り教えてもらったと思います
正直、そんな点検をしている人はいないと思いますが、1週間に一度や1カ月に1度は点検した方が良いと思います
定期的に点検を行えば、少し異常があった際に気付く可能性がありからです
ホースが抜けていたり・破れていたりした場合や、オイル・燃料が漏れていたりと目で見ればすぐに分かると思います
[定期点検]
後は、プロの目で見てもらうために、3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月・車検と色々な定期点検がありますので、それを実施しましょう
車に故障診断機を接続すると目には見えないデーターが見れるので、エンジンの状態をしっかりと点検する事が出来ます
【まとめ】
アイドリング状態が不安定になったら、まず一番良いのはすぐに修理工場へ持ち込み点検・修理をしてもらう事を忘れず
しかし、色々な状況があるので最小限のトラブルで防ぐ為には、日々の点検、定期的な交換を実施しましょう
今の時代、車は生活には無くてはならない物になっています
なので、少しでも快適に安全に車を運転する為には、しっかりとしたメンテナンスを実施しましょう
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