車の動かす為に、車両の各部には様々なオイルの種類が使用されています。
大きく分けて「エンジンオイル・ギヤオイル・オートマオイル・パワステオイル・ブレーキオイル」の5種類があります。※厳密言えばもっとあります
オイルの種類を間違えていれてしまうと、部品が破損したり、金属の摩耗が早まったりしてしまいますので、メーカーが指定するオイルの種類にあった物を入れて下さい。
同じオイルでもメーカーが違えば、オイルの種類が違ったりするので、今整備をしている・乗っている車のメーカーに合わせたオイルの選ぶようにしましょう。
乗用車・トラック・バスの整備経験があり、今も現役の整備士の私がオイルの種類について解説していきます。(運営者情報)
【エンジンオイル】
まずは、車のオイルと言えば「エンジンオイル」ですよね。これはエンジンの内部を潤滑する為のオイルになります。
過去の投稿でも詳しく説明しています。
これは、あまり車の知識が無い人でも知っているオイルになると思います。車に使用されているオイルの中で一番交換頻度が多いオイルになります。
過去の投稿でも説明していますが、エンジンオイルには5つの大きな役割が存在します。「潤滑・清浄・冷却・気密・防錆」の5つです。
そして、ガソリン用・ディーゼル用のオイルが存在し、そこから更に粘度(SAE規格)によって色々な種類が存在します。
粘度とは、例えば上記のようなオイルには「10W-30」のような表記がされています。これは、○○Wは低温時の粘度を表し、後ろのー○○は高温時の粘度を表しています。これは車種によって様々です。エンジンの設計や車の使用状況により推奨粘度が設定されていますので、自分の車・整備している車にあった粘度のオイルを選択し、交換するようにしましょう。(分からなければ取扱説明書かメーカーのホームページを参照しましょう。)
【ギヤオイル】
ギヤオイルとは、トランスミッションやディファレンシャルに使用されているオイルになります。
今は、新車販売の約98%の車がオートマの時代で、今現在公道を走っている車の95%以上はオートマ車の時代なので、トランスミッションギヤオイルを交換するという事はまず無いでしょうね。
しかし、トラック・バスにおいてはオートマの車増えては来ましたがまだまだマニュアルの車の方が圧倒的に多いです。
ディファレンシャルギヤオイルも乗用車では廃車するまでに1回交換するかしない程度だと思います。
トラック・バスでは、年間の走行距離が多い為にトランスミッション&ディファレンシャルギヤオイル共に車検ごとか2年に1回、交換する車両が多いですね。
【オートマオイル】
上記でも説明しましたが、日本のオートマの普及率は95%以上もあるので、だいたい日本の公道を走っている車はオートマ車です。
オートマオイルもメーカー・車種によって色々な種類があります。
必ず、その車のオートマにあったオイルを使用して下さい。間違えて違う種類のオートマオイルに交換してしまうと故障の原因になります。
後は、他の油脂と違ってオートマオイルは交換しないという選択肢もあります。
仮に一度も交換していない状態の車が10年もしくは10万キロあったとしたら、交換しない方が良い場合もあります。その理由は、オートマは他と装置とは少し異なって構造の為に、常に学習をしながら変則しています。その変則を行うのにオートマオイルが使用されていますが、劣化してきたオイルの分も学習してしまっています。なのでかなり汚い状態のオイルから奇麗なサラサラのオイルに交換してしまったら、オートマが滑ってしまって最悪ASSY交換しないとダメになります。
なので、オートマオイルは定期的に交換している人は問題ないのですが、放置していた人は交換はしないでオイルが少なかったら補充のみを行う事をお勧めします。※人によっては交換した方が良いと言う人もいるとは思いますが、私は今現在走行に支障がなければ交換しなくも良いかと思います。
【パワステオイル】
パワステオイルはステアリング装置に使用されているオイルになります。
このオイルも交換頻度は非常に少ないオイルになりますね。
特に乗用車では3年間働いていましたが、1回も交換する事はありませんでした。オイル漏れの修理等でオイルを抜いてしまった場合のに交換する形になっていますね。
他の装置と違ってそこまでオイル自体が汚れる事はありませんが、交換した方が良いとは思います。しかし、ステアリング操作に違和感がなければ、交換しなくても問題なくステアリングの操作は出来ると思いますので、オイルの量だけはしっかりと補充しておきましょう。
このオイルもメーカー・車種によって種類がありますのでしっかりと確認してから入れましょう。
【ブレーキオイル】
ブレーキの装置に使用されているオイルになります。
このオイルは他のオイルは少し成分が違って吸湿性が非常に高いので、エンジンオイルよりしっかりと定期的に交換する事をお勧めします。
空気中の水分を吸収してしまうので、見た目以上にオイルは劣化しています。そのまま使い続けるとオイルの成分が変化してしまって、オイル本来の働きが出来なくなって、ブレーキ周りが錆びてしまったり、オイル漏れをおこしてしまったり、最悪ブレーキが利かなくなってしまいます。
一番良いのは車検ごとにしっかりと交換するのが良いでしょう。エンジンオイルの交換は自分で出来てもブレーキオイルの交換はなかなか素人では難しいと思うので、車検の際に一緒にブレーキオイルの交換をしてもらいましょう。
ブレーキオイルの種類は「DOT(ドット)」という規格でDOT3が一般的なオイルでほとんどの乗用車・トラック・バスに使用されています。
DOT4はスポーツ走行用車両や重量車両でDOT5.1はDOT4の寒冷地使用になります。
DOT5は特殊車両専用(ハマー・ハーレーダビッドソンなど)になります。
一般的にはDOT3が使用されていると思います。
【まとめ】
上記で説明した通り、車に使用されているオイルには同じオイルでも何種類も存在します。
メーカー・車種だけではなく、そのオイルの性能・成分・気候・活動地域によってその車にあったの物を選択して交換・補充を行いましょう。
しっかりとオイルの種類を確認してその車にあったオイルを選択して下さい。
全てのオイルは定期的に交換する方が車にとっては良いと思いますが、全てを車検ごとや半年ごとに交換していたら、コストがかかりすぎてしまいます。
最低限、エンジンオイル・ブレーキオイルは車検ごとか距離ごとに交換し、その他のオイルは2~3年ごとに交換する事をお勧めします。
コメント