車で走行中に、「ピーー」と笛のような音が発生する原因とは何か?

整備士

たまに、街中で走行中の車両(特にトラック・バス)において、「ピーー」と笛のような音がしている車両を見かける事があると思います

これは、「排気漏れ」をおこしている状態になります

下記より、排気漏れについて詳しく解説していきたいと思います

参考までに、このブログ(おとさんブログ)を運営している私を簡単に紹介します

整備士歴約20年の現役のエンジニアになります。現在は大型車をメインに点検・整備を行っています。整備士についてのブログや趣味の野球について発信しているブログになります。興味を持ってもらえたら他の記事も参考にして下さい

では、排気漏れについて解説していきたいと思います

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【排気漏れとは・・・?】

車には、色々な装置・部品があります

その中で、エキゾースト側(排気側)でおこる現象になります

車の動力は、エンジン内部にあるピストンの上下運動によって、空気が圧縮されて燃料が着火・引火する事によって、爆発して動力が発生しています。この爆発際に発生した排気ガスを外に排出するのが、エキゾースト側になります

エンジン内部の爆発 ➡ エキゾーストマニホールド ➡ ターボ ➡ 排気ブレーキ ➡ DPD・DPR ➡ テールパイプ、といった順に排気ガスが流れていきます

上記の部品やパイプとパイプの隙間より排気ガスが漏れてしまう現象が「排気漏れ」になります

【何故漏れるのか?】

では、何故排気バスが漏れるのか?その原因は大きく分けて、3種類あります

1:ガスケット不良

部品と部品を組み付ける際に、間にガスケットという物を入れます

このガスケットを間に入れて、ナット・ボルトを締める事によってガスケットが潰されていって隙間を密着されて、排気ガスが外に出るのを防いでいます

このガスケットが潰れすぎたり、破れたりする事によってそこから排気ガスが漏れてしまい、排気漏れをおこします

再使用したガスケット等を使用したりすると頻発しますので、出来る限りガスケットの再使用はせずに新品のガスケットに交換するようにしましょう

2:取り付けボルト・ナット不良

上記でも説明した通り、部品と部品を組み付ける際にボルトやナットで締めます

そのボルトやナットが緩む事によって、密着されずにそこから排気ガスが漏れてしまいます

締付不良が大半の原因になります

例えば、ターボASSY交換した際に、取り付けナットの締付が緩くて数カ月後にナットが緩んで、そこから排気漏れをおこす、という事は割と発生します

※ターボ交換後に排気漏れにて再修理した車両

再使用不可のナットや熱膨張ワッシャー等が使用されていない箇所は特に、緩みやすくなっているので、しっかりと締め付けるようにしましょう

3:スタッドボルト折れ

これは、エキゾーストマニホールドで頻繁に発生する不具合になります

エキゾーストマニホールドは、シリンダーヘッドにスタッドボルトを組み付けて、取り付けます

このスタッドボルトがシリンダーヘッドからの熱によって、熱膨張を繰り返す事によって、脆くなって折れてしまいます

これが、一番多い排気漏れの原因になるかと思います

4:その他

上記の3つ以外が大半の原因になりますが、まれに部品が割れてしまったり、亀裂が入ってしまって、排気漏れを起こす場合もありますが、そこまでの頻度は無いです

【排気漏れの点検方法】

最後に、排気漏れの点検方法を紹介します

人によって点検方法は様々あるとは思いますので、こんな点検の仕方もあるのかってぐらいで読んで下さい

ひどい排気漏れの場合は、正直点検方法というよりも見たら分かると思います。排気ガスには未燃焼ガスや煤が含まれているので黒くなります。なので、排気漏れをしている箇所が真っ黒になっているはずです。

排気漏れの初期段階だとエンジンが冷えている時にしか漏れない事もあります。エンジンが暖機されると熱膨張によって漏れが止まってしまいます。そのような場合は、一度エンジンが冷えるのを待ってから、漏れていそうな箇所全体に石鹸水や下記のようなエア漏れを点検する際にしようする検知液をかけてからエンジンを始動すると漏れている箇所より泡が出てくるのですぐに分かります

このやり方は、エンジンが冷えている状態でないと出来ませんので、エンジンを始動したら素早く点検しましょう。分かりずらかったらエンジンをもう一度冷やしてから再度点検するようにしましょう。点検後は、散布した箇所を清掃しましょう。

後は、スタッドボルトの点検や取り付けナットの点検を行いましょう

【排気漏れを修理しないとどうなるのか?】

正直、初期段階なら最初のエンジンが暖機されるまで「ピー」と音が鳴る程度で気にしない人にとっては何も感じないと思います。気になるドライバーはこの段階で修理依頼すると思います

上記の段階から徐々に排気漏れが悪化していくと、エンジンが暖機されても「ピー」と鳴り続けると思います

排気ガスが漏れると、DPR・DPDといった排気ガス浄化装置に大きく影響するのでエンジンにはそこまで影響は無いですが、排ガスにとっては良くない状態になります

最悪、エンジンチェックランプが点灯したりする場合もあるので、早急に修理する事をお勧めします

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