エンジンオイル漏れがしやすい箇所とは?なぜオイル漏れをするのか?

今の時代一家に1台もしくは2台の車を所有しているのが当たり前の時代になってきたと感じます

車を停車させていた所に黒くシミのような跡が残っていませんか?

それは車から漏れた「エンジンオイル」が垂れた跡になります。毎日、同じ所に停車していると思いますので、だんだんと濃く大きくなっていくと思います

※エンジンオイル以外の可能性も有りますが、今回はエンジンオイルに絞ります

この記事ではエンジンオイルが漏れやすい箇所やなぜオイル漏れをおこすのかを解説しています

簡単にこの記事を書いている私の紹介をします。約20年乗用車・トラック・バスの整備をしている現役の整備士です。転職経験も1度有り、今は大型車をメインに整備を行っています。詳しくはこちらを参照して見てください

では、下記より解説していきたいと思います。この記事を最後まで読んでもらえたら、エンジンオイル漏れについて良く理解出来ると思います

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【構造】

オイル漏れの箇所を説明する前に何故オイルが漏れてくるのかを説明します

部品同士を組み付ける際に、間にガスケットやOリング・液状ガスケットなどを挟み込んで隙間を無くす事によってオイルが漏れて来ないようにしています。それ以外にはシールと取り付ける事によって外に漏れなくしています

そのガスケット・シールが何らかの原因によって不良になる事で、オイルが漏れて来ます

冷却水(LLC)と違って、エンジンオイルは油圧(圧力)がかかっている箇所とそうでない箇所があります。油圧がかかっているとすぐにオイルが外に漏れ出してきますが、そうでない箇所では徐々に漏れて来ます

【漏れやすい箇所】

エンジンには漏れやすい箇所がいくつか存在します

※あくまでも一例です。これ以外にも漏れる可能性はありますし、車種・メーカーによっても漏れる傾向が違ってきます

その1:シリンダーヘッドガスケット

これのオイル漏れが一番多いと思います

シリンダーブロックとシリンダーヘッドの間にあるガスケットになります

種類はガスケットタイプになります

エンジンの中でも一番負荷がかかる所になるので、漏れやすくなっています

エンジンの圧縮圧力に耐える為に、高トルクで締められていますが、膨張を繰り返す事によって他の箇所よりも早期に損傷してしまいます

特に、トラックのように何十万キロも走行している場合は漏れてなくも滲んだりしている場合が多いですね。

修理方法:シリンダーヘッドを取り外しての交換作業が必要。時間のかかる作業になります

その2:クランクシール

クランクシャフトの前後に取り付いているシールになります

種類はシールタイプになります

クランクシャフトよりオイルが漏れてこないように止めているシールになりますが、ゴム製品なので年数と共に劣化して漏れてしまいます

その他にはエンジンの内圧が高くなり過ぎた事によって、圧力がそこから逃げてしまいシールが破損して漏れて来ます

後は、エンジンオイルが異常に増えた時にシールよりオイルが出てきてしまいます

修理方法:フロント側なら全ベルト・クランクプーリーを取り外して交換。リヤ側ならT/M or A/Tを取り外してフライホイールを取れば交換出来ます

その3:オイルパン

エンジンオイルが溜まっている所になります

種類はガスケットタイプと液状ガスケットのタイプがあると思います

常にオイルにさらされている為に、経年劣化によって漏れる事が多いです

ただ、圧力がかかっている訳では無いので、一気に漏れてくることは無いのですが、徐々に漏れて来ます

修理方法:オイルパンを取り外してガスケットor液状ガスケットを交換

その4:シリンダーヘッドカバーガスケット

エンジンの一番上に付いているカバーになります

種類はガスケットタイプになります

カムシャフトやロッカーアームに循環されたエンジンオイルが外に漏れないようにしています

この部品もエンジンの内圧が高くなり過ぎると漏れてしまいます

後は、エンジン上部の部品を交換する際に必ず取り外すので、脱着頻度が多い部品になり、その分作業ミスによってオイル漏れが発生する可能性も高いです

修理方法:シリンダーヘッドカバーを取り外してガスケットを交換

その5:エンジンオイルエレメント

使用している過程でエンジンオイルに混ざる不純物を取り除くエレメント(フィルター)になります

種類はOリングタイプになります

これは、締付不良や取り付け面の清掃不良でも漏れます

経年劣化による漏れというよりは、人為的ミスによって漏れる方が多い箇所になりますね

エンジンオイル交換と一緒に交換されている方はあまり漏れないかもしれませんね

修理方法:エンジンオイルエレメントを交換

その6:その他

上記がだいたい主要な漏れる箇所になります

しかし、それ以外にもエンジンオイルが使用されている部品であれば、絶対に漏れない事は無いのでいずれ漏れてくる可能性はあります

例えば、燃料ポンプの取り付け部(Oリング)やターボチャージャーのオイルパイプ(ガスケット)やクローズドベンチレーターのホースといった感じで数得ればきりがないぐらいにあります

【まとめ】

エンジンオイルはエンジンを守る大切なオイルになります

多少のオイル漏れぐらいならそこまで深刻な問題にはなりません

しかし、多量にオイルが漏れるとエンジンがダメージを受けてしまい最悪の場合はエンジンASSY交換になる可能性が高いです

定期点検・車検にてオイル漏れの指摘があれば、早急に修理する事をお勧めします

毎日、運行前点検を実施しエンジンオイルが減っていないか、車の下にオイルが垂れた跡が無いかを確認する事が重要です

とりあえずオイルがレベルゲージの範囲(LO~HI)に入っていれば漏れていても問題無く走れるとは思いますが、ゲージ外ならエンジンオイルを補給するか、漏れている箇所の修理をしましょう

エンジンの部品は必ず漏れると思いますので、定期的に点検を行って漏れを防ぐ事によって、エンジンを長く・安全に使用する事が出来ます

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