現役自動車整備士が感じている整備士が今度どうなっていくのかを解説!

整備士

私は、もうすぐで約20年自動車整備士をしているおっさんです(詳しくはこちらを参照してみて下さい)

これからの整備士業界はは、どうなっていくのか?

ずばり、技術のある整備士が減り、整備士の大半は外国人になると思います

その理由を解説していきます

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【理由その①:3Kな職場】

整備士は、俗にいう「3K」の職場になっています

キツイ・汚い・危険は労働環境にあるからです

今の若い日本人の労働者ではなかなか仕事を続ける事は難しいを感じています

:キツイ

正直、若いころはキツイを感じる事は少なかったですが、40歳を過ぎるとなかなか体はキツイと感じていますね

自動車の部品は、乗用車等はそこまで大きくもなく重くも無いですが、トラック・バスの部品となるとなかなかの重量物になります

それを、持ち上げて車両に取り付けたり、外したりしないとダメです

後は、常に体が動いた状態なので、ゆっくりと座って仕事をする事はほとんどありません

そして、集中しながら作業をしないとダメなので精神的にしんどく・キツクなってきます

:汚い

今でこそ、ビニール手袋をして作業していますが昔はほとんど素手で作業していました

なので、オイル交換等をすると爪の間にオイルが入ってしまい、それが黒くなってなかなか洗っても取れません

今はビニール手袋をして作業する事がほとんどなので、そこまで手が汚れる事はありません

コロナが流行りだした頃は、普段買わなかった人がビニール手袋を大量に購入して、マスクのように品薄になった時は非常に困りましたね

後、車は砂や埃まみれの道路を走行しているので、車の下廻りは非常に汚いです

髪の毛が汚れたり、ツナギが汚れたり日常茶飯事です

わざわざ、汚れる仕事だと分かっていて整備士になりたいと思う人は少なくなっていると思います

:危険

年間数名の整備士が命を落としています

命は落としていないが、重大な怪我をする整備士は年間数十名います

私の会社でも、数年に1回重大な事故が発生しています。指が飛んだり、車に挟まれたりして長期療養していた整備士がいます

幸いなことに、私の会社では重大事故は発生しても死亡事故までは発生しています

しかし、全国では悲しいですが整備士が毎年命を落としています

2024年3月20日、広島県福山市にて大型トラックのタイヤとタイヤハウスに挟まれて、整備士が亡くなっています(詳しくはこちらを参照

このように全国各地で死亡事故や毎日怪我が発生している、そんな職業今の若い人はなかなか選ばないと思います

【理由その②:賃金】

整備士の賃金は今も昔も非常に厳しいです

私自身は、今も会社に長い間勤めているので、それなりの役職なので、整備士の中ではそこそこの賃金だと思います

しかし、若い整備士や他の会社の整備士の賃金はかなり低いと感じます

普通に残業が無かったら手取りで20万円あるか無いかですし、残業をしても残業代がつかない会社もよく聞きます

昔は、残業代を稼いで給料の足しにしていましたが、今は働き方改革が進んでいるのでなかなか長時間残業をする事も少なくなって、その分残業代も少なくなっているのが現状です

私自身も残業を出来るだけしないように定時で帰っています。その分、自分の時間や副業をする時間にあてています

残業代無しでも手取りで25万円~ぐらいあれば、それだけでも整備士になろうとする人は増えるし、整備士を辞めようとする人も増えると思います

結婚して、子供が出来た整備士ほどどんどん別の業界に転職していっています。もしくは、今よりも環境・賃金の良い会社へ転職しています

そういった中堅からベテラン整備士がどんどん辞めていって、辞められない外国人労働者の数が増えていっているのが現状です

【理由その③:転職】

上記でも説明しましたが、若い整備士は辞めて別の業界の仕事に就いている人が多いですが、30歳を過ぎたぐらいの中堅~整備士は別の場所で整備士をしています

その理由は、整備士はどこにいっても重宝されるからです。特に、数十年ディーラーでやっていた整備士なら間違いなくどこの自動車修理工場も欲しいからです

整備士は知識だけでなく経験の方が優遇されます。いくら自動車整備士1級を持っていても技術が無ければ、会社としては魅力がないからです

昔、1級を持った若い整備士が入社しましたが、高卒の自動車整備士免許も持っていない、整備士よりも仕事は出来ませんでしたから

技術をもった整備士ならどこの会社でも雇ってもらえます。事実、私自身転職サイトに登録していますが、毎日のように自動車関連の求人が入ってきます

私が今の会社を辞めない理由は、今の役職と退職金を考えると、少しの賃金アップ程度では意味が無いからです

今の年収以上+退職金まで見据えるとそれに見合った会社はなかなかありません。なので、今の会社+副業で十分満足しています

私が転職する可能性は、上記の条件を満たした時です。上記の条件を満たせばすぐに転職すると思います

日本人だと、すぐに転職出来ますが外国人だとなかなかすぐに転職する事は出来ません。嫌でもその会社で仕事しないと生活できませんので。

なので、私の会社は整備士の全体の50%は外国人が占めています

私個人的には、日本人よりも外国人の方が真面目に働いているように感じます

言葉さえ通じれば問題無く仕事が出来ると思います

【まとめ】

私にも男の子供が二人いますが、絶対に整備士にはなるなと伝えています

私が今も会社を辞めて、個人で修理工場をやるなら整備士になっても良いとは思いますが、それ以外は絶対に無しですね

3Kで汚い職場で、命の危険にあう職業なんて誰が子供に勧めるもんですか、絶対に無いです

これから、もっともっと整備士の数は減っていって、腕の良い整備士は自分で修理工場を建てたり、個人でやったりすると思います

昔のようにディーラーに修理を依頼していれば大丈夫、という時代は無くなり内部を見れば、作業をしているのはそのほとんどが外国人労働者になっているでしょう

ディーラーだけじゃなく個人でやっている修理工場や町工場でも整備士の数は減っていって、ディーラー以上に高齢化が進んでいると思います

技術に見合った賃金やしっかりとした環境を作れば、整備士自体は悪くない職業だと感じています

手に職が就くし、会社を辞めても個人で出来る職業ですから

今のままだと私の会社も含めてですが、これからはもっと苦しくなってくると思います

整備士の事をもっと大事に、整備士の為に色々と改革するば、一度入社した整備士が辞める事は無いと思います

これから整備士になろう・整備士を目指そうとしている人は、上記の事をしっかりと考えたうえで整備士になって下さい

上記でも言いましたが、整備士という職業自体はそう悪い職業では無いと感じています。20年余り整備士を続けてきた現役自動車整備士が言うから間違いありません

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