車に乗っている時に、「いつもはしていなかった音=異音」が聞こえた経験がある人は多いと思います
結論から言いますと、異音がしていたら車のどこかしらの部品が損傷・傷んでいる証拠です
それは、緊急性があるのか?すぐに修理しないとダメなのか?を解説していきます
簡単に、この記事を書いている私の紹介をします。乗用車・トラック・バスの整備士をしている者になります。整備士歴はもうすぐ20年ぐらいになります。転職経験も1度あり、現在は大型車をメインに整備をしている工場に勤めています(詳しくはこちらを参照ください)
では、下記より解説していきます
【緊急性】
緊急性が有るか無いかは、整備士の立場から言わせてもらったら実際に車を見て診断しないと分かりません
あくまでも大まかにですが、下記の①~③は緊急性が高く、④~⑥はとりあえず点検してからで大丈夫だと思います
よく、電話相談で異音がしているがこのまま走行しても大丈夫ですか?と問い合わせがありますが車も見ていないので判断するのは非常に難しいです
個人的は判断基準は、その異音が常時鳴っているのか?特定の操作をした時に鳴っているのか?だと思います
下記でも説明しますが、エンジン内部に重大な損傷が発生している場合は、エンジンがかかっている状態で常に異音が発生しています
逆に、足回り等の異音の場合はブレーキを踏んだ時やカーブを曲がった時、特定の操作をした時にしか発生しません
しかし、あくまでもこれまでの整備士としての経験値で推測で判断するので、実際に車を見ない判断するのは難しいです
異音が発生しているという事は、車になんらかの異常が発生している事になります
なので、車に異音が発生したらとりあえず整備工場へ一度車を持って行って、点検してもらって判断してもらうのが一番だと思います
異音の種類によって緊急性が変わってきます
【異音の種類】
異音といってもその種類は色々とあります
エンジン・ミッション・デフ・ベルト・足回り・ブレーキ等々異音が発生する箇所はたくさん存在します
異音の聞こえ方も人それぞれ若干違ってくると思いますので、あくまでも私個人的に聞こえている音で表現しています
①タンタン・カンカン
エンジン内部が損傷すると、エンジンをかけた瞬間から甲高い「タンタン」「カンカン」といった音が聞こえます
これは、エンジン内部が重大な損傷をしている証拠です
この音が聞こえてきたら速やかに、安全な所に車を停車させてエンジンを止めましょう
このような音が発生したら、自走で走るのは非常に危険ですからレッカー移動になると思ってください
何故なら、この音はエンジン内部が損傷した時に発生する音になります
クランクシャフト・ピストン・コンロッド・メタル・インジェクターといったエンジンにとって非常に重要な部品が損傷している証拠です
インジェクターの場合は、エンジンの1気筒が死んでいる状態になっているので、故障診断機を車両に繋いで点検するばすぐに分かります
インジェクターの不具合ならインジェクター交換のみ直ります(※インジェクターとは燃料を噴射する部品)
しかし、インジェクターが正常な場合は、上記の重要な部品が損傷している可能性が高いので、エンジンオーバーホールかエンジンASSY交換になると思ってください
②ギャー・ガリガリ
ミッション車の場合、ギヤを入れる際に「ギャー」「ガリ」のような、ギアとギアが擦れるような音がする場合があります
クラッチディスクが摩耗して、残量が無くなってくると回転を止められなくなるのでギヤが回っている状態で無理やり入ろうとする為に、このような音が鳴ります
もしくは、クラッチディスクが正常でもトランスミッション内部のギアの一部が損傷している場合でもこのような音が発生します
トランスミッションのオイルの抜き取って、オイルの中に鉄粉が多量に混じっていれば、トランスミッションのオーバーホールかASSY交換、オイルがキレイな状態だったら、クラッチディスクの交換作業になります
オートマ車の場合でも似たようなギャー音が鳴る時があります。オートマの場合はほとんどがASSY交換になると思います
③ウィー
ハンドルを操作した時に発生する唸り音になります
パワーステアリングポンプやステアリングギヤボックスの不良、オイル不足によって発生します
ハンドル操作が重くなっていないのであれば、とりあえず走行は可能です
しかし、ハンドル操作が重いのなら早急に点検・修理をした方が良いです
ハンドルが重たいと予期せぬ事故が起こる可能性がありますので
④ギコギコ
車が段差や悪路を走行時、バウンドした時等に発生する音になります
これは、サスペンション廻りのブッシュが減ってきた時に発生する異音になります
グリースアップのよって改善される時もありますが、グリースアップを出来ない箇所もあります
サスペンション廻りのブッシュは大半はゴム製品なので、グリースアップで改善されなければ交換するしかありません
⑤キー
ブレーキを踏んだ時に発生するブレーキ鳴きと呼ばれる音になります
ブレーキパッドの残量がな無くなってきた時に発生します
ブレーキパッドの交換を早めに行わないと、ブレーキローターまで交換しないとダメになります
ブレーキパッドの残量があってもこのような「キー」音が鳴る時もあります
その場合は、ブレーキパッドの面取りを行ったり、削ったりします
ブレーキローターが削れていれば、交換しないとブレーキ鳴きは直りません
⑥キュルキュル
エンジンをかけると発生するベルト鳴きと呼ばれる音になります
エンジンはいくつものベルトによって色々な装置を駆動しています
大型バス等は5本ぐらい付いていますが、乗用車では1~2本ぐらいしか付いていないと思います
そのベルトが経年劣化やベルトの調整不良によって、ベルトの張りが弱くなった時に異音が発生します
ベルトに亀裂や損傷が無ければ調整、亀裂や損傷があれば交換します
【まとめ】
車に乗っていれば、なんかしらの音は発生します
上記以外にも異音は発生すると思います
普段、乗っている時には聞こえなかった異音が聞こえてきた不安になると思います
そうならない為には、車検だけではなく日々の点検、定期点検(3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月)を実施する事をお勧めします
そうすれば、絶対では無いですが早期に不具合が発見出来て、修理の初期だと費用も安く済む時があります
異音をそのまま放置すると重大な損傷に至る事もあるので、放置せずにしっかりと整備工場にて車の点検・修理をしてもらいましょう
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