整備士は毎日、怪我のリスクと事故の危険が伴う仕事です。

整備士

4月になって、新入社員が入社してきましたね。私の会社にも数名の新入社員が入社してきました。特にその新入社員が気を付けないといけないのが怪我・事故です。まぁ、新入社員というよりも3年目以内の若手の整備士が怪我・事故を起こす確率が高いからです。

整備士という仕事は、常に怪我のリスクと事故の危険が伴う仕事になります。全国で毎年、数名の整備士が命を落としています。そして、体の一部が損傷する怪我も沢山発生しています。擦り傷・切り傷は日常茶飯事です。毎日のように怪我をしています。

安全第一というものの、それでも怪我・事故は後を絶ちません。少しでも、怪我・事故を減らずためにはどうしたよいのか考えてみましょう。

【経験不足】

経験不足によって、発生する怪我・事故は多いです。

その作業をするにあたって、何が危険なのかをしっかりと理解した上で作業を行えば、回避出来る問題ですが、理解していないのに作業を開始した為に怪我・事故が起こります。

私は20年整備士をしていますが、昔と今では少し違っているように感じます。

昔は、先輩と後輩はペアになって作業を行い、先輩からその作業の注意点を聞いてから作業をして、隣に先輩がいる状態で作業を行い、教えてもらいながら作業をしていました。しかし、今は整備士不足という事もあって、なかなか横で教えてもらいながら作業を行う事が出来ない状態です。その結果、初めての作業を行うときや、まだまだ経験がそこまで無い作業を行うときに、怪我・事故が発生してしまいます。

教える側の先輩の理解力・技術力も低下しているのが現状ですね。なので、教える事も出来ず、分からないまま作業を行って、結果、怪我・事故が発生しています。整備士は経験を積まないとなかなか出来る仕事では無いので、難しい問題ですね。

【専用工具】

専用工具があれば、問題無く作業を行えるのですが、その専用工具が高額の為に購入出来ない為に、起こる怪我・事故もあります。よくある作業でプロペラシャフト・タイヤの脱着作業がありますが、どちらも専用工具がなければ、怪我をするリスクのある作業になります。

プロペラシャフトとは、トランスミッションとデフの間を繋いでいるシャフトでトランスミッションの動力をデフに伝えている部品になるのですが、乗用車・小型トラック・中型トラックではそこまで重い部品では無いのですが、大型トラックになるとかなりの重量物になります。二人で持っても重い部品です。それを、一人で脱着しようとした時に、重くて持てなくて、手や足の上に落ちてしまって骨折してしまう事が年数件発生しています。私の会社でも発生し、その時に会社がプロペラシャフト脱着ジャッキを購入してくれました。しかし、高額の為に全ての整備工場が購入出来るとは限りません。

確かにあれば、楽に作業が出来ますが、10万円以上する物になるので、余裕が無ければ購入するのが難しいですね。

大型トラックのタイヤはかなりの重量物で大きさも大きいです。大型トラックじゃなくても、小型・中型トラックのタイヤは乗用車に比べると重たいです。そのタイヤを専用の脱着工具を使用せずに、手で脱着しようとする時に、指を挟んで骨折する事がたびたびあります。慣れていれば気を付けるポイントが分かっているので挟まることはありませんが、この脱着工具は工場にはかかせない物になると思います。

プロペラシャフト・タイヤ脱着工具以外にも色々な専用工具が存在します。しかしその全てを揃えるのは難しいと思います。どれもこれも高額の為に資金との相談になりますが、社員の怪我・事故を少しでも防止する為には必要な物になると思います。

【過信】

最後は、新入社員ではなくベテランの整備士に起こる事です。

だいたい整備士は10年ぐらいやれば、それなりのベテラン整備士になっていると思います。その10年以上整備士をやっている人が怪我・事故を起こす事があります。その理由は【過信】です。

昔からこのやり方でやっていたから大丈夫だろうという考えで作業をして、重大な怪我・事故になっている事例があります。怪我・事故の詳細を見てみると、なんでそんなやり方をしたのか疑問に思う事がよくあります。自己流でやってよい作業とダメな作業があると思います。

今まではたまたま大丈夫だっただけで、本当はかなり危険な作業をしている事があります。それに気づかなければ新入社員だろうがベテラン社員だろうが怪我・事故を起こします。

整備士は本当に、毎日が危険を伴う仕事になっているので、常に安全を気にしながら仕事をしないと取り返しのつかないことになってしまいます。会社全体で安全について考えていかないと、いつまで経っても整備士の怪我・事故は減らないと思います。

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