車が故障した時の、故障診断の手順を現役のトラック整備士が解説していきます。

整備士

昔はチェックランプ等の警告灯が点灯していても、車検を通す事が出来ました。

しかし、法令が変わって「エンジン警告灯」「エアバック警告灯」「ABS警告灯」「制動装置警告灯」「シートベルト警告灯」等の警告灯が点灯していると車検が通らなくなりました。

どれもそのまま放置しているとなんかしらの不具合が車に生じると思うので、車検に関係無く早めに修理する事をお勧めします。

私の経歴です。

さて、最近の車は本当に電子化が進んで、昔に比べたら故障にたどり着くのが早くなった反面、複雑な故障の場合は、そこまでたどり着くのにかなりの時間を費やします。

昔はECU(コンピューター)が3個程しか付いていませんでしたが、最新の車は、その系統ごとにECUが取り付けられいます。

10個程のECUによって制御しているので、故障が細分化されて簡単な故障の場合はすぐに見つけられます。

しかし、全てが簡単な故障とは限らず、エンジンの故障を検出しているのに実はABSの装置の故障によって、エンジンの異常を検出していたりと、実際に故障と出ている物とは違う部品が壊れている、といった事もしばしば起こります。

部品一つはかなり高額(トラックの場合)なので、簡単に交換出来ませんし、保証・有償によっても変わってきます。

では、どのように作業していったら故障に確実に正確にたどり着くのか考えてみましょう。

1.しっかりと、故障の状況を確認する

まず、最初に、いつ・どこで・どういう状況で・どのようになったか・をしっかりとお客様に確認する事が重要です。

ここをしっかりと確認する事によって、故障の箇所をある程度予想出来て、それだけでも作業時間の短縮に繋がります。

作業の遅い整備士はここを怠っていると思います。

2.現象の確認

現在故障で常に出ている状態なら、良いのですが、現在は正常といった事もしばしば起こります。

そういう時に、①で確認した状況に沿って、故障が再現するかを確認したり、試運転を繰り返して、現象を再現させる事が重要です。

ある程度、再現性が確認できるまで、しっかりと点検しましょう。

闇雲に部品を交換してしまうと、今は一時的に直っているだけで、完全に故障が直ったのかの確認が出来ません。

3.故障の範囲を絞る

①・②である程度の故障の推測が出来ると思いますので、可能性のある部品をピックアップして一番可能性の高い部品から点検していきましょう。

電源電圧・配線・コネクターの勘合・グランドアースの点検、部品の単体での点検etc.。

その中で異常個所の修理、部品の交換を行い、再度再現するかを確認して、作業完了をなります。

4.直らない事も

①②③をしっかりとやっても全く直らない事もよくある事です。

その場合は、一度初心に戻って下さい。

意外な事が抜けていたりしますので。

それでもダメなら③で絞った可能性の有る部品を交換していくしか方法は有りません。

しっかりと点検して正常でもその部品が一時的な不具合を出す事も有りますので。

後は点検方法の見直しです。その点検方法で大丈夫なのか、そこの電圧の値は正常なのか、配線図をしっかりと理解して電気の流れを確認してください。

一番、間違えやすいのは、電圧は正常でも電流が来ていない事です。

配線が切れかかっていても、電圧は正常値ですが、電流は流れません。

テスターでは分からないので、検電棒等で同じ様に点検すると光りません。

しっかりと配線の抵抗を点検していれば、0Ωの所が60Ωだったりとすぐに分かりますが、電圧だけを点検していると、この故障にはたどり着きませんので、しっかりと頭に入れて点検しましょう。

後、最後に一番はまるのは人為的なミスです。

お客様の整備履歴を確認して、直近で何かの作業をしていないかを確認しましょう。

このミスは普通に走っている車には起きないので、非常に難しい故障をなります。

たとえば、何かの作業してコネクターを外して、組み付ける時に間違えてコネクターを差してしまったり、奥までコネクターが差さっていなくて微妙に接点が導通してなかったりします。

まとめ

直らない故障は無いので①~④の項目をしっかりとやれば、故障に早くたどり着き、誤診も少なくなると思います。

その為には、それなりに勉強してしっかりと頭の中に構造が入っていないとダメですね。

私もそこまで勉強しませんが、分からない事が出てくるたびにその勉強はしています。

整備士は常に勉強していかないと、最新の技術についていけなくなります。

定期的に勉強しましょう。

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