車に使われている部品の中に、スタッドボルトというものがあります。車においては特に排気管系(エキゾースト)によく使われています。
ネジ山に埋め込むボルトタイプで、取り付ける事によって、部品をナットで締める事ができるものになります。
このスタッドボルトを取り外す方法を紹介していきます。この記事を読めば、もうスタッドボルトの取り外しに困る事はありませんので、最後までご覧ください。
簡単に私の経歴です。乗用車・トラック・バスの整備を15年以上続けている者です。整備士に関する発信をしていますので、気になった方は他の投稿も参照してみてください。
スタッドボルト
スタッドボルトには種類があります。
両端にネジ山が切っているタイプと、両端がネジ山になっているが片方の頭がトルクスで締めれるタイプがあります。
最近は、トルクスが付いているタイプのスタッドボルトが増えて来ていますね。
【スタッドボルトの外し方】
①:簡単に外れる場合
両端がネジ山のタイプ
一般的には、ダブルナットにして外します。
ダブルナットとは、片方のネジ山に2つのナットを付けてナット同士を締めます。
これによってナットが固定されます。そうする事によってナットとスタッドボルトが一体化されて外す事が可能になります。
トルクスが付いているタイプ
トルクスが付いていれば、楽に外す事が可能です。
トルクスのサイズを確認して、ボックスを付けて緩めるだけです。
②:簡単に外れない場合
スタッドボルトは排気管系に取り付けられている場合が多いです。
そういった場所に付いているボルト・ナットはサビが酷くてなかなか緩める事が出来ません。
普通のボルト・ナットですらなかなか緩める事が出来ないのに、ダブルナットやトルクスでは緩める事が厳しいです。トルクスも緩める際に折れたり、滑ったりすれば普通のスタッドボルトと同じですからね。
しかし、そんな箇所でも外しやすくする方法が有ります。
それは、周囲を加熱する方法です。
スタッドボルトのネジ山の部分が真っ赤になるぐらい加熱してやることによって、普通では外せないサビ付いたスタッドボルトも外す事が可能です。
③:①・②でも外せない場合
上記①・②でも外せなかった場合は、最終手段で特殊工具を使用します。
「スタッドボルトリムーバー」
です。これは、スタッドボルトに限らず折れてしまったボルトを取り外す時にも使用します。
この工具を使用するとスタッドボルトは再使用できなくなりますので、交換が必要になります。
ボルトのサイズに合わせたリムーバーを選択し、スタッドボルトに付けます。
その状態から緩める方向へ回していけば、リムーバーがスタッドボルトに噛んでいき、緩める事が出来ます。
上記の②の状態から使用する事で、より確実に外す事が出来ると思います。
あまり安物の工具だと中のローラーがすぐに割れてしまいます。
④:上記①・②・③でも外せない場合
たまに、上記①~③でも外せない場合があります。
その場合は諦めて、ドリルで穴を開けて、削っていくしかありませんね。
そうなったら、作業時間は大幅にかかってしまいます。
どんなに頑張っても外せない時はありますので、その時は諦めて削っていきましょう!
ネジ山の修正
スタッドボルトが取れたら、ネジ山の修正を行いましょう。これをしっかりと行わないと新しいスタッドボルトがスムーズに取り付けられません。
スタッドボルトに合ったネジ山のピッチを選んで、ネジ山の修正を行いましょう。
絶対に間違ったピッチで行わないように中止しましょう。特に相手がアルミの場合は簡単に削れてしまうので慎重に行ってください。
下記の工具があれば、簡単に楽にピッチを修正する事が出来ますよ。
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