トラックに使用されているフィルターと呼ばれる部品は、定期的に清掃・交換等が必要になります
それを怠ると、トラックのパフォーマンス大きく下げてしまう事になります
そうならないように、しっかりとメンテナンスを行う事が重要です
吸気系・排気系・燃料系・オイル系と様々な種類のフィルタが使用されています
この記事では、各フィルターの必要性とどういった役割なのかを解説していきます
簡単に、この記事を書いている私の経歴です。整備士を約20年続けている者になります。乗用車~大型車・バスと幅広く整備を行ってきました。現在の現役の整備士をしています(詳しくはこちらを参照ください)
では、解説していきます
【吸気系】
吸気系に使用されているフィルターは、「エアクリーナー」と呼ばれるフィルターになります
これは、エンジンに必要な空気を大気から吸う時に、大気中のゴミ・埃・砂等取り除くフィルターになります
エアクリーナーは基本的には、清掃が可能な物になりますので、定期的にエアブローを行う事がお勧めします
しかし、最近の車に湿式タイプといって清掃は出来ず、交換するしか無いタイプもあります
このエアクリーナーの清掃・交換を怠ると、エンジンに必要な空気量が少なくなってしまう為に、出力不足になってしまいます
【排気系】
排気系に使用されているのは、「DPR・DPD・DPFフィルター」になります
メーカーによって名称が違いますが、基本的には同じ役割をしています
ディーゼルエンジンから排出されるPM(パティキュレートマター)と呼ばれる粒子状物質を取り除いて大気に開放しないようにしています
大気汚染物質を取り除いた排気ガスを排出しています
詳しくは過去の記事を参照して下さい(こちらから)
【燃料系】
燃料系に使用されているフィルターが一番多いです
燃料タンク内部に付いているのが「ストレーナー」と呼ばれるフィルターになり、燃料タンク内の大きなゴミを取り除いています
ストレーナーの通った燃料は次に「ゴーズフィルター」と呼ばれるフィルターで細かいゴミを取り除いています※最近の車には付いていない車種もあります
最近の車はゴーズフィルターが付いていない変わりに、「プレフィルター」と呼ばれるフィルターが付いています
ゴーズフィルター・プレフィルターを通った燃料は、最終「燃料フィルター」と呼ばれるフィルターでゴミ・水を取り除いて、ポンプに送られていきます
ディーゼル(軽油)はガソリンと違って、不純物が多く含まれていますので多くのフィルターを通して出来るだけ不純物を取り除いています
上記のフィルターの1つでも、詰まっていたりすると燃料がポンプに送れなくなり、エンジンの出力不足になったり、エンジンが始動出来なくなったりします
燃料フィルターの交換は認知している人は多いので、定期的にメンテナンスを行っていると思います
しかし、ゴーズフィルターやストレーナーは正直、不具合が起きてからじゃないと点検しないと思います
修理工場へ持って行って、点検して欲しいと依頼すればしてくれると思います
燃料フィルターと違って、清掃が可能なので清掃するだけでも出力はアップします
【オイル系】
オイル系に使用されているフィルターは「オイルフィルター」になります
エンジン・トランスミッション・デフ・パワステ等にはオイルを潤滑して出た鉄粉を取り除くフィルターが付いています
エンジンにはディーゼル車でもガソリン車でも確実に付いています
トランスミッションやデフ・パワステには付いていない車両もあります
付いていれば、オイル交換をする時に一緒に交換するか、2回に1回は交換するようにしましょう
オイルフィルターを交換せずに、オイルのみ交換をし続けるとフィルターが目詰まりを起こしてしまって、オイルの循環が悪くなって金属の摩耗が進んでしまい最終的には破損する原因になります

【まとめ】
トラックに使用されているフィルターの交換・清掃は確実に実施しましょう
上記のように様々なフィルターが使用されていますが、そのどれもが重要なフィルターになっています
1つでも交換・清掃を怠ってしまうとエンジンのパフォーマンスを下げるだけでなく部品の破損に繋がってしまいます
車検毎に少しのお金をプラスするだけで防げるので、実施する事をお勧めします
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