トラックは毎日数百キロを走ります。そのトラックの安全な運行を行う為には、日々のメンテナンス・点検が必須になってきます。
この点検を怠ると、ニュースで放送されるような悲惨な事故になる可能性も十分にあります。
日々のメンテンナンスをしっかりと行っている車両でも毎日の走行距離が多い為に、予期せぬトラブルが起こったりするのがトラックの日常です。
トラック・バスにはどのような点検項目があるのか解説していきます。トラックドライバー・トラック事業者の方は少しでも参考にしてみて下さい。
私自身は15年以上のトラック・バスの整備を行っています。
【日常点検】
まずは、お客様・ドライバー様が行う点検になります。
これは、乗用車でも一応義務されている点検になります。運転免許を取得する時に習ったと思います。
日常点検や運行前点検と呼ばれるものになります。
整備士じゃなくても一般の人でも簡単に行る範囲の点検になります。
エンジンオイル・ブレーキオイルの点検や冷却水の量・タイヤの状態といった感じの簡単に出来る目で見てやる点検項目になります。
毎日やっていれば少しの異変にも気付くことが出来ると思います。
例えば、昨日よりも明らかにエンジンオイルの量が少なかったり、冷却水の量が少なかったらエンジンのどっかから漏れている可能性が高いですね。
故障を早期に発見出来て、車へのダメージの最小限に抑える事が出来ますので、是非実施しましょう。
下記のアイテムがあれば、日常点検は問題なく行えます。
【定期点検】
これは、整備工場へ持ち込んでの点検になります。
車種によって受けないとダメな点検は違ってきます。その種類は3カ月・6カ月・12カ月とあります。
- 3カ月点検 :事業用のトラック・バス・タクシー、レンタカー(乗用車以外)
- 6カ月点検 :自家用のトラック、レンタカー(乗用車)
- 12カ月点検:自家用車
上記のように車種によって受けないとダメな点検が違ってきます。
しかし、点検するそこまで内容自体はそこまで変わりません。
点検内容はざっと下記の項目になります。
- 灯火装置の点灯状態の確認
- 各オイル・水の量
- ブレーキライニング・パットの残量
- 下廻りのボルト・ナットの緩みの点検
- タイヤの状態
- ベルトの状態
- バッテリーの状態
- 各部のグリースアップ
- 装置のオイル漏れ・水漏れの有無
上記の項目を3・6・12カ月点検の時に点検していきます。
それに加えて、お客様のご要望を聞き、場合によっては何かを交換したりしますが、基本的にはご要望がなければ、点検のみとなります。
点検をした結果、不具合箇所があったり、ご要望があった場合に交換を実施します。
乗用車ではそこまで不具合は発生しませんが、事業用のトラック・バスの場合は3カ月点検時に、不具合が見つかる事が多いです。
この定期点検をしっかり実施する事によって、安全な運行を行える事が出来ますので、確実に受けるようにしましょう。
【車検】
定期点検は受けないとダメですが、全ての人が受けている訳では無いです。しかし、車検は日本の道路を走っている車なら確実に受けていないと違反で捕まってしまいます。
車検は、上記の定期点検よりもさらに一歩踏み込んだ内容の濃い点検になります。
車検時では、今は不具合は起こっていなくても次の車検・定期点検時には壊れている可能性の高い箇所は交換をお勧めしています。
次回の車検時までしっかりと壊れる事なく不具合が発生しないようにしっかりと点検を行っています。
後は、メーカーが推奨している交換時期・交換年数を確認し、不具合が出ていなくても予防整備をして交換するユーザーもいます。これが一番、運行を安全にする近道だと思います。
正直、どんなに点検を実施しても不具合が起こってしまう場合があります。それは、機械なのでいつこわれるか分かりませんし、ゴム製品はいつ劣化をおこして、不具合が発生するか分かりません。
なので、車検ごとに定期的に交換するのが一番、不具合の発生が少ないと思います。
車検にお金をかけて安心・安全な運行を行うか、不具合が発生してから交換するかですね。
どちらが良いかは分かりませんが、整備士的には定期的に交換する方が運行にも車に良いとは思います。
【まとめ】
車はどんなに丁寧な運転を行っても、必ず不具合が発生します。なので、その不具合を出来る限り早期に発見する為には、定期的な点検が必須となってきます。
個人で出来る事は個人で行って、個人では無理な専門的な作業は整備工場へ依頼をして行ってもらいましょう。
不具合を早期に発見すればダメージも最小限に抑える事が出来ますし、修理にかかる日数も少なくすみ、お金もそこまでかかりません。
安心・安全な運行を行う為には日々のメンテナンス+定期的な点検を行う事が一番です。
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