バッテリー上がりになってしまった時の対処方法と点検方法を紹介します

整備士

車に乗っていたら、一度や二度くらいはエンジンが掛からなくなった時があるとは思います。

そんな時、どう対処したら良いのか?慣れている人や少し知識のある人だったらそこまで心配する事は無いと思いますが、全くの無知な人だとどうしたら良いのか分かりませんよね。

結論:ジャンピングスタートをするか、バッテリーの交換を行う

昔の車だとA/T車じゃなく、M/Tの車が多かったので、車を人力で押してエンジンをかける事が出来ましたが、今の車は8割以上がA/T車になっていると思うので、上記の方法でしかエンジンをかける方法はありません。

しかし、ただバッテリーを交換するでは完全に修理が完了した事にはなりません。その理由を現役の自動車整備士が解説していきます。参考までに私の経歴です。

※この記事は、100%バッテリー上がりだった場合の対処方法と点検方法になります。全く違う原因のエンジン始動不良の記事は下記のリンクを参考にしてみてください。

原因の追究

バッテリーが上がっているという事は、何か車の装置に不具合が発生しているという事になります。不具合が発生した事によって、結果的にバッテリーが上がってしまっています。なので原因を追究し、その装置を修理・交換しない限り、またバッテリー上がりになってしまいます。

①バッテリー本体

一番、可能性の高い不具合はバッテリー本体の経年劣化になります。

新車から5年以上・バッテリー交換してから5年以上経っている場合は、バッテリー本体の劣化が進んでいると考えて良いでしょう。

メーカー的には2~3年で交換を推奨しています。しかし、バッテリーは1000円・3000円程度では買えず、1万円以上はします。なので、そこまで頻繁に交換する人は少ないのではないでしょうか。

正直は私もバッテリーが上がってから交換する人ですが、奥さんが乗っている時に上がってしまったらと考えてしまうので早めに交換をしています。

バッテリーは充電・放電を繰り返し行っています。なので、永久に使用出来る訳ではありません。例を挙げるなら携帯の電池と同じです。使えば使うほど、電池の減りが早くなるのと同じで、車も貯められる電気が少なくなってきて、バッテリーが上がってしまいます。

この場合は、バッテリーの交換のみで大丈夫です。近くの車修理工場やオートバックス・ネットでも購入する事が出来ますので、自分で交換するか修理を依頼しましょう。

②オルタネータ充電不良

上記①のバッテリーの交換を行った後に、オルタネータの充電量の点検を行います。

バッテリー本体の劣化じゃなければ、次に怪しい不具合箇所になります。

バッテリー自体は電気の貯める事しかできませんので、電気をずっと使用し続けたら無くなってしまいます。その電気をバッテリーへ送って、充電する装置がオルタネータになります。

まず、ベルトがしっかりと掛かっているのか、切れてしまって無くなっていないので、ベルトの張りが適切なのかを点検します分からない人はベルトが付いているのかだけでも確認しましょう。

(測定方法)

ベルトの点検を大丈夫なら、オルタネータのB端子にクランプをかけます。

その状態からエンジンを始動してアンペア数を確認して、充電できているのかを確認しましょう。車種・型式によって基準値は様々なので、ご自身の車の基準値を調べて、発電出来ているのかを確認してください。だいたい30A程度あればまず問題は無いかと思います。

下記のようにネットでも購入する事が出来るので、自身のある人はネットで自分の車に搭載されているオルタネーターの品番を確認し、購入・交換を行ってください。それのほうが安く修理が完了します。

ただ、自身が無ければ交換は修理工場へお願いするほうがよいでしょう。

③暗電流

車を乗っていない状態、キーが抜かれている状態でのECUやカーナビの学習メモリーの為に常時流れている待機電流の事を言います。

純正の車では、よっぽどの事が無い限り心配する事はありませんが、外品部品や後付け部品を取り付けている車は注意が必要です。本来、ACCで電源を取らないとダメなので、+Bで取っていたりするとこの暗電流の値が大きくなって、バッテリー上がりの原因に繋がります。

ただ、昔の車よりはこの暗電流の値が大きくなっている傾向にはあります。スマートキー・セキュリティー・ドライブレコーダーなどを搭載している車が増えてきたので。それでも、普通に装着していれば問題は無いです。

(測定方法)

バッテリーのターミナルを緩め、ターミナルとバッテリー端子にテストリードを当てた状態で、外れないようにターミナルから抜くと暗電流が測定出来ます。

一般的な正常な車で0.02A~0.05A程度だと思います。この値が大きければ大きいほど、車が停車している状態で電流(アンペア)を消費している事になります。

まとめ

バッテリー上がりの原因をしっかりと追究し、その不良個所を交換しないとダメです。ただ単にバッテリーを交換しているだけでは完璧な修理とは言えませんね。

修理工場へ持ち込んだ時に、「暗電流は大丈夫でしたか?」「オルタネータの発電量は大丈夫でしたか?」と尋ねる事をお勧めします。もし見ていなかったらそれら原因なら再発の恐れがありますから。点検をお願いしましょう。

対処方法と点検方法が分かっていれば、もしもの時にも慌てずに行動できると思います。

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