トラックにおいて、一番多いトラブル・故障の原因は間違いなく経年劣化だと思います
整備士歴約20年の今も現役の整備士をしている私が、整備士目線で解説していきます(詳しい経歴はこちらを参照ください)
乗用車とは違って、トラックは一度に乗る距離が長いですし、1ヶ月の稼働自動が多いですし、長い年数乗り続けます
なので、乗用車ではおきないようなトラブル・故障も多く発生し、その程度は軽度なトラブルから重度な故障まで様々です
上記が仕事をしている中で多いと感じる個人的なトラブル・故障のランキングになります
では、一つずつ解説していきます
1:メンテナンス不良
トラックのおけるトラブル・故障で一番多いのがメンテナンス不良になります
トラックに限らず、車等に使用されている部品にはメーカーが推奨している定期交換時期があります
1年毎に交換や車検毎に交換を推奨している物が多いです
その部品をしっかりと交換していれば、故障する確率は下がります
エンジンオイルは交換しないとダメという認識がある人が多数いるのでしっかりと距離・時期で交換されている人が多いです
しかし、それ以外の油脂系や部品に関してはそこまでしっかりと管理されていないと感じます
今は、バスの整備をメインで行っているのでバス会社の人は割としっかりと定期交換されています
しかし、トラックの場合はそこまで管理しているとは感じません
確かに、メーカーが推奨している定期交換時期は早すぎる気はしますが、それでも車の部品は永久には使用出来ないので定期的に交換する事をお勧めします
2:製品の不良
しっかりとメンテナンスや定期的に交換されているドライバー・会社のトラックはこちらの方がトラブルは多いかもしれませんね
製品の不良は、定期交換時期よりもはるかに早く部品が壊れる事を言います
特にセンサー系統の故障は正直、いつ壊れるか分かりません(例:NOxセンサー・EGRバルブ)
故障診断機を車に接続して、故障しそうな部品は分かったりしますが全てが分かる訳ではありません
修理に出して、1週間も経たないのに故障する事もあります
製品にも当たり外れがあって、新車から廃車まで壊れない物もあれば1年も経たないうちに壊れる物もありますね
3:経年劣化
年数の経ったゴム製品等の劣化は激しいですね
ゴム製品が使用されているのは、主にブレーキ関連部品が多いですね
ブレーキ関連部品は、圧縮空気を利用していて、その空気中にオイル・水が混入しているので、その影響で劣化は進みます
後は、冷却水のホース関係は劣化が進むとすぐく裂けて冷却水が漏れて来ます
トラックの場合は、100万キロ走行の車両も普通なのでそれぐらい走っている車両は足回り関連も劣化が進んでします
乗用車は起きる事が少ない故障もトラックの場合は普通に発生します
4:人為的
人為的というのは、作業のミスの事です
絶対にあってはならないですが、月に1台ぐらいは発生しています(※車の台数が多かったらもっとあるとは思います)
修理後、すぐに直した箇所が壊れたり、ボルト・ナットの締め忘れ、付け忘れ等々
作業をしたら完成検査を実施して出庫していますが、それでも全てを点検するのは不可能です
作業をミスを限りなくゼロにする為に、二重・三重チェックを行っていますがそれでもゼロになる事は無いです
私の会社では幸いなことに、作業ミスによる重大な事故は発生していませんが、ニュースでは耳にしますね
それを聞くたびに、改めて自分の作業を見直して自分たちの整備をした車は絶対に起きないように再確認しています
5:その他
上記以外でも全く予期できない故障も数多くあります
1ヶ月トラックに乗っていて1回現象が出る程度の故障や、ある特定の条件でしか出ない現象等・・・
このような故障の場合は、長期にわたって車を預かって試運転や点検を行います
その他には特に新車時にありえない箇所のボルトが緩んでいたり、付いてなかったりした事もあります
リコールやサービスキャンペーンになる程ではない程度の故障ですね
個人的にはこのような故障を探求していくほうが楽しいですが、時間がかかって他の仕事が出来なくなるの忙しい時には出来ませんね
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