専門学校や自動車学校へ行っていた人は授業やテストで、スターターの単体点検の問題が出たと思います。
私も、専門学校時代にやりましたし、トヨタ検定何級の試験でもやったような記憶があります。
簡単までに私の経歴です
しっかりと理解していれば、全く難しい事では無いのですが、理解してなかったり、忘れていたりすると、出来ない事がありますよね。
この記事を読めば、スターターの単体点検のやり方が一発で分かりますので、もうスターターの単体点検で迷う事は無くなるでしょう。写真等で詳しく解説していますので、最後まで読んでみて参考にしてみて下さい。
・スターターとは
まず、知っているとは思いますが、「スターターの役割はエンジンを始動する時のみ」作動する装置になります。
キーシリンダーを回して、エンジンが始動しますが、スターターが何らかの原因によって、故障すると作動しなくなってエンジンが始動出来なくなります。
そんな時に、スターターの点検をします。
・スターターの構成部品
スターターの主な構成部品は以下の通りです。
- プランジャー
- ホールディングコイル
- プルインコイル
- メイン接点
- フィールドコイル
- アーマチュアコイル
- ピニオンギヤ
・スターターの点検
スターターの点検には単体点検には色々有ります。
【 単 体 点 検 】
- 吸 引
- 保 持
- 戻 り
まずはこの3つの解説です。
【単体点検】
< 吸 引 >
吸引とはプランジャーが飛び出る事を言います。
飛び出た事によって、リングギヤにピニオンが噛みこみます。
キーシリンダーを回した瞬間の状態です。
< 保 持 >
保持とは、吸引によって飛び出たプランジャーを保持する事を言います。
この保持状態の時が、クランキング状態です。
< 戻 り >
戻りとは、プランジャーが元に戻る事を言います。
キーシリンダーを戻した状態です。
«上記3つの点検を行います»
車両よりスターターを取り外した状態で点検を行います。
バッテリーと配線を用意します。
写真のように、端子が3つあります。
それぞれ、B端子・M端子・C端子となっています。
1.M端子に繋がっている配線を取り外します。
2.C端子にバッテリーのプラス繋げます。
3.M端子とスターター本体を配線で繋ぎます。
4.スターターの本体にバッテリーのマイナスを繋げると、「吸引」の状態になって、ピニオンギヤが飛び出します。(注)ピニオンギヤは出るだけで、回りません。
5.M端子の配線を外すと「保持」の状態になります。
6.バッテリーのマイナスを外すと「戻り」の状態になります。
«点検によって分かる事»
上記の点検する事によって、何が悪いのかが分かります。
原因部品 | |
吸引 | プルインコイル |
保持 | ホールディングコイル |
戻り | 内部のスプリング不良 |
この点検はあくまでも、単体での点検で主にプルインコイルとホールディングコイルとスターター内部のスプリングの点検になります。
【無負荷点検】
ピニオンギヤに負荷をかけない状態で、スターターを回転させた状態での電流を測定します。
車両より取り外します。
バッテリーと配線を用意します。
1.B端子にバッテリーのプラスを繋げます。
2.スターター本体とバッテリーのマイナスを繋げます。
3.C端子に配線を付けます。
4.C端子の配線をB端子に接続する事によって、ピニオンギヤが飛び出して回転します。
(注)しっかりと固定していないと危険なので、足等で押さえるか、バイスで固定する
5.B端子とバッテリーの間に電流計を付けて、読み取ります。
実際の仕事では、単体点検と無負荷点検ぐらいしかやらないので、他にも色々点検は有りますが、覚える必要は無いかと思います。15年以上やっていますが、5回ぐらいしかやった事は無いですね。
・スターターは定期的に交換しましょう
スターターが故障すると、エンジンが掛からなくなってしまうので、非常に困ります。なので、定期的に交換する事を勧めます。
使用頻度によって、交換時期はバラバラですが、トラック・バスはほぼ毎日動いています。乗用車よりは壊れる可能性が非常に高いです。
スターターが壊れる時は、前兆があります。いつもとは違う音がしたりしますので、その時は早めに交換する事をお勧めします。
車の点検は意外と整備士じゃなくても出来たりします。少しの知識があれば、点検も調整も可能です。もし、クラッチ調整のやり方を知りたい人がいれば、下記の投稿を参照してみて下さい。
コメント